単に「中断」と言っても色々ある。今回取り扱う「中断」は「同時並行処理がある場合の中断」だ。すなわち、複数人が同時に作業している時に、他人の作業をストップさせるケースを考える。
以下のワークフロー定義では、AさんとBさんとCさんが、一つの仕事に対して複数作業に分かれて同時に処理している折に、Aさんの判断で全作業をストップさせる事ができる。すなわちAさんが『2a.タスク』を完了させれば、『2b.タスク』や『2c.タスク』が消滅する。(『2b.タスク』や『2c.タスク』が既に終了している場合は変化がない)
<各タスク名>
1.タスク、2a.タスク、2b.タスク、2c.タスク
[BPMNサンプル-一箇所全終了:「2a.タスク」画面]
<各プロセスデータ名>
- 件名
- ユーザ型: B作業者
- ユーザ型: C作業者
- 掲示板型: 社内通信
国際標準記法BPMNでは、このアイコンを全終了イベント(Terminate End Event)と呼ぶ。(ワークフローエンジンの挙動としては、分割されたトークンを全て終了させる)
※ Business Process Model and Notation
具体的な応用例は、ワークフローサンプル内に点在する。
例えば、『急ぎで回すデータセンター入館申請フロー』では、承認できないと事後に判断した上司が、入館作業を止めるストーリーになっている。(無論「手遅れ」となるケースもある)
また、『今こそ検討したい『在宅勤務』ワークフロー』では、成果物の承認で、在宅者との通信を終了させるストーリーだ。
あるいはまた、『「御礼メール」と「来店勧誘メール」でCRMサイクル!』では、顧客の来店をもって、営業担当者による繰り返しタスク「来店勧誘活動」が終了する。
以下のワークフロー定義では、AさんBさんCさんが三人とも他者の作業を中断させることができる。言い方を変えれば、誰かが最初に入力すれば他の二人は入力できなくなる。
<各タスク名>
1.タスク、2a.タスク、2b.タスク、2c.タスク
なお、これまでの「BPMNの書き方」シリーズを復習したい方は以下。
- 『業務フロー図表記法BPMNの基本は「分岐」だ』
- 『案件によっては同時並行処理が必要になる業務フロー』
- 『業務フロー途中で「定型メール」を自動送信』
- 『「子プロセス」を産む業務フロー定義の書き方』
- 『トークンが無限増殖するループ構造』
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