ミス発生に伴う生産性ダウン

決裁者さんにとって「差し戻し処理」は、億劫(おっくう)です。

申請内容を読み『無言』でOKすれば良いハズ(3分)のところ、(無言でNGするワケにも行かず)、更に10分かけて『差し戻す理由』を書かなければなりません。しかもそれが「単純ミスや誤記の指摘」であり、それが一日に5件・10件も発生するとなれば、流石に気分も滅入ってしまうでしょう。

そして当然、帰宅する時刻も1時間・2時間と遅くなってしまいます。

システム改良で下げられるミス率

『日付』をまちがう、『金額』をまちがう、『顧客の名前』をまちがう。

申請者さん達も、好き好んで間違っている訳ではありません。基本的には(?)、「業務プロセス定義の工夫や改良」によってミス率を下げることを考えたいものです。(プロセスを憎んでヒトを憎まず!)
  • 入力画面の「注意書き」や「入力チェック」を改良する
  • 業務フローに同僚による「レビュー工程」を追加する

[申請系プロセスのベースフロー-スクリプト]

各案件のログ

業務プロセスの最適化を考えるとき、「マスタ系のデータ」と「トランザクション系のデータ」の2分類における後者データを分析します。

具体的に言えば、『商品マスター』や『顧客マスター』などの「マスタ系データ」ではなく、『見積書No123の詳細』や『請求書No123の詳細』といった発生記録としての「トランザクション系データ」を分析します。

分析に有用なログ

ワークフローシステムに流れる『〇〇案件の詳細』は、案件が開始されるたびに蓄積されるデータであり、全て「トランザクション系データ」に該当します。

しかしながら、業務プロセス内で定義された『データ項目』に、全てのトランザクション情報が格納されている訳ではありません。たとえば『第2工程に到達した時刻』や『ループ構造を周回した回数』といった「システム側で保持されている情報」(案件それぞれのログ)は、エクスポートしやすい形で格納されていません。

以下のワークフローは『差し戻された回数』(ループ構造を周回した回数)という「システム側で保持されている情報」が、業務プロセス側の『データ項目』に自動的に取り込まれる設定となっています。

[申請系プロセスのベースフロー]

小さく始める

「システムに慣れるには、どうしたら良いでしょうか?」

投資効果だけを考えれば「既存の非効率な業務」をシステム化するのが効果的です。もし「紙ベース」で行われている業務があるのなら、その業務のシステム化を検討すべきです。もし、受注・出荷・請求といった「基幹業務」に適用すれば、比較的容易に『効果』が『投資』を上回ることでしょう。

しかし、(1)管理者:システムの設定ノウハウが高くない、(2)一般社員:システムの利用リテラシが高くない、といった状況なのであれば、全く『効果』が出せない危険性もあります。それは「原稿用紙に手書き」してきた小説家に「パソコンでの制作」を強要するようなものです。

「システムの導入で、業務効率を悪化させてしまうかも」。そんな不安がある場合、まずは「小さな業務」で、(できれば毎日必ず行う業務で)、試運転するのが良いかも知れません。

改良し続けるという習慣

ペーパレスやテレワークを推進する際には、「ワークフローシステム」の導入が検討されます。

最初に適用する業務を何にすべきかは、非常に悩ましいところですが、たとえば、以下の「勤務時間報告」という小さなワークフローは有力な候補と言えるでしょう。何と言っても「必然的に毎日利用することになる」のが良いところです。

実際に「データ入力」を行ってみて、実際に「承認」を行ってみて、、、何が必要で、何が省略できるのか、おのずと理解が深まるでしょう。また、その利用の中で、様々なアイデアも生まれてきます。
  • 管理者: 業務フローの設計ノウハウが高まる
  • 一般社員: 工程を担当するという基本的な使い方を理解できる

[出退勤報告フロー]

入力ミスが多い?

ワークフロー・システムでは、ヒューマン工程における「入力ミス」が避けられません。

たとえば「請求書発行日」と「入金期限」の2つの日付を入力する必要があるワークフロー工程であれば、
  • データ複製のまま1年前の日付を入力してしまう
  • 請求書発行日と入金期限を逆に入力してしまう
といったミスが発生しがちです。(折々に、実際の発生率を計算してみるのも良いでしょう)

もちろんミスをした担当者が不注意なのかも知れません。あるいは、集中力を高めれば、その瞬間だけはミスなく入力できるかも知れません。しかし、100件・1000件と「ミスなし」を続けることは、むしろ困難と言わざるを得ないでしょう。もし入力項目数が多い業務なら、5件・10件でもミスなく入力することですら難しいかも知れません。

初期値を設定する

システム機能として「初期値の設定」が可能なら積極的に利用したい所です。

クラウド型ワークフロー『Questetra BPM Suite』の場合、日付データ項目の初期値として「今日から3日後」や「来月の末日」を設定できます。「データ複製」のケースには無力ですが、新しい案件データを業務プロセスに流す場合には、とても有効な方法です。

<設定画面>

[日付入力フォームのテスト]

入力ミスが多い?

ワークフロー・システムでは、ヒューマン工程における「入力ミス」が避けられません。

たとえば「単価」と「数量」の2つの数値を入力する必要があるワークフロー工程であれば、
  • 12000 が 1200 と一桁が足りない数値を入力してしまう
  • 金額を入力すべき場所に数量を入力してしまう
といったミスが発生しがちです。(折々に、実際の発生率を計算してみるのも良いでしょう)

もちろんミスをした担当者が不注意なのかも知れません。あるいは、集中力を高めれば、その瞬間だけはミスなく入力できるかも知れません。しかし、100件・1000件と「ミスなし」を続けることは、むしろ困難と言わざるを得ないでしょう。もし入力項目数が多い業務なら、5件・10件でもミスなく入力することですら難しいかも知れません。

最大値・最小値を設定する

システム機能として「入力値の制限」が可能なら積極的に利用したい所です。

クラウド型ワークフロー『Questetra BPM Suite』の場合、数値データ項目には「最大値」と「最小値」を設定できます。もし「単価」の入力値を「10,000円~100,000円」と制限しておけば、その入力制限によって「1200円」という誤入力の発生率をゼロにすることが可能です。

<設定画面>

<動画:ミス発生の様子>

[数値入力フォームのテスト]