第536話:差し戻し回数も、貴重な案件データだ?!

2017年5月22日

各案件のログ

業務プロセスの最適化を考えるとき、「マスタ系のデータ」と「トランザクション系のデータ」の2分類における後者データを分析します。

具体的に言えば、『商品マスター』や『顧客マスター』などの「マスタ系データ」ではなく、『見積書No123の詳細』や『請求書No123の詳細』といった発生記録としての「トランザクション系データ」を分析します。

分析に有用なログ

ワークフローシステムに流れる『〇〇案件の詳細』は、案件が開始されるたびに蓄積されるデータであり、全て「トランザクション系データ」に該当します。

しかしながら、業務プロセス内で定義された『データ項目』に、全てのトランザクション情報が格納されている訳ではありません。たとえば『第2工程に到達した時刻』や『ループ構造を周回した回数』といった「システム側で保持されている情報」(案件それぞれのログ)は、エクスポートしやすい形で格納されていません。

以下のワークフローは『差し戻された回数』(ループ構造を周回した回数)という「システム側で保持されている情報」が、業務プロセス側の『データ項目』に自動的に取り込まれる設定となっています。

[申請系プロセスのベースフロー]


<設定画面:データセット工程[差戻カウンタ] の設定例>

自動カウンタ

もし申請系のワークフローの上流工程に、このような[自動カウンタ]を配置しておけば、それぞれの案件における差し戻し回数が『業務データ』として自動的に格納されるようになります。その結果、平たく言えば「差戻ループにハマった案件」を検索しやすくなります。

たとえば「3回以上差し戻された案件を一覧する」などして、その発生原因や発生傾向が特定できれば、
  • P. 業務プロセス定義の変更(カイゼン)する
  • A. 業務プロセスの運用体制や運用マニュアルを見直す
といった PDCA 施策につながることでしょう。

更なる有用データ

「ロスした時間も計測したい!」

確かに「差し戻しの発生によってロスした時間の累計」といったデータが『業務データ』として取り込まれていれば、更に活発な PDCA 議論が進むかもしれません。

次回のエントリでは「累計ロス時間」という『データ項目』を追加してみたいと思います。

<モデリング動画(8倍速)>


<データ項目一覧画面>


[雛形ダウンロード (無料)]
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