業務:アイコン作成やポスター制作など

新しい業務プロセス定義で、社内からの「依頼」を一元的に管理できるようになった。

マーケティング部でのデザイン案件、製品開発部でのデザイン案件、営業部でのデザイン案件、、、そんな依頼を「チーム」として効率よく対処できるようになった。また、デザイナ同士がお互いの制作物に興味を持つようになり、各デザイナのスキルアップにも寄与していると思う。

※参照:「第574話:プロセス改善物語(SaaSベンダー編1)」、「第575話:プロセス改善物語(SaaSベンダー編2)

課題:納品スケジュールが守れないケースも

ただ、それでも、「納期」に間に合わなくなるケースが発生している。

たとえば、「急ぎの依頼」が入ると「通常の依頼」があおりを受けてしまうのだ。特に「新サービスのリリース」「新しいキャンペーンの準備」といった大きなプロジェクトが動きはじめると、様々な「急ぎの依頼」が発生する。結果として「締切に融通が利く通常の案件達」が納期に間に合わなくなってしまう。

外部リソースを活用するなどしてでも「制作スケジュールを守れるデザインチーム」でありたい。
[デザイン依頼対応プロセス]

業務:デザイン制作

社内から次々と「依頼」が舞い込んでくるデザインチーム。
デザイン制作の「依頼フォーム」(ワークフローの開始工程)を整備したことで、以前より安定して依頼をこなせるようになってきた。(参照:「第574話:プロセス改善物語(SaaSベンダー編1)」)
自動開始イベント(メッセージ開始イベント)も用意したので、『デザイン依頼対応プロセス』が「サブプロセス」として利用されるケースも増えてきた。つまり販売部門や製造部門の業務プロセス図(メインプロセス)に「呼び出しイベント」と「待ち受けイベント」が配置かれ、業務プロセス間の連携が API POST 通信によって自動化されるようになった。(←要は「依頼案件タイトル」や「依頼仕事の作業詳細」といったデータでプロセスが開始され、作業完了と同時に「デザイン報告テキスト」と「成果物ファイル」といったデータが戻される)
さらに「サブプロセス」を呼び出すメインプロセスのサンプルも社内提示したので、今後、様々な部門におけるデザイン業務が『デザイン依頼対応プロセス』に集約されていくハズだ。

課題:スキルアップしない

デザイナごとに「担当案件の数」や「担当総額」が可視化されるようになった。 また、ベテランデザイン達が「窓口担当者」として「作業担当者」の作業進捗をコントロールするようになったので、若手デザイナが「ノーチェック納品」(誰もチェックしない納品)してしまうことも無くなった。 しかし、デザインは本来、「品質」こそが命だ。 この業務プロセスのままでは、社内の満足度が下がっていくような気がする。もう少し、チーム全体として実力を伸ばしていけるような業務プロセスにならないものだろうか? せっかく「デザイン依頼対応プロセス」として独立性を高めているのだから、単に数をこなすためだけの業務プロセスではなく、スキルアップにつながる仕組みを考えたい。

[デザイン依頼]

[デザイン依頼対応プロセス(レビューあり)]

業務:デザイン業務

デザインチームの業務は多岐に及ぶ。

たとえば、「SaaS製品内のアイコン」の変更や追加といった小さな案件もあれば、「新しいSaaS機能」のインターフェース開発といった大きな案件もある。
ただ…、それ以外にも、セールスチームが書いた「導入事例記事」をWeb掲載するという案件が発生したり、さらにそれをチラシ制作するという案件が発生したりする。はたまた、マーケチームの「展示会」企画にあわせて、Webコンテンツを制作案件が発生したり、ポスター制作したり…。

つまるところ、全社から「手伝ってラブコールを受け続けるチーム」と言っても良い。

課題:受け身な案件の効率化

確かにデザインチームが愛されていることは事実だ。
しかし、直接部門である「製品開発部門」や「営業販売部門」が日ごろ主体的に動いているのと比べると、やっていることは地味と言わざるを得ない。たとえて言えば、小売店にある「ラッピングコーナー」みたいなものか? 日々、社内のアウトプットに対して「お化粧」をし続けるのだ。そして、気がつけば「受け身の姿勢」がしみついてしまう。

これがもし建築の世界であれば、、、むしろ「意匠系」が主体的に動き、エンジニア集団である「構造系」や「環境系」が受け身になるところなのに。。。と、ボヤいたところで「社内からのラブコール」が無くなる訳ではない。まずはこの「受け身仕事」を手際よくこなすことを考えたい。(経理担当だって、人事担当だって、情シス担当だって、、、「受け身仕事」を華麗にサバいているのだから…)


[デザイン依頼対応プロセス]



業務:Web記事制作

記事の執筆ワークフローを変えた。(第571話:プロセス改善物語(Webメディア編1)第572話:プロセス改善物語(Webメディア編2)、参照)

これで「記事」の品質を高めるとともに、「ライター」さん達のスキルアップにもつながるフローになった、、、様に思う。

いずれにせよ、『仮タイトルの設定』に始まり『Web記事の掲載』というアウトプットに至る一連の「記事制作フロー」がスムーズに回るようになった。「進捗を確認しに行く」や「レビューを督促しに行く」といった無駄なコミュニケーションも、すっかりなくなったといえる。
  • 編集長:季節連載などの企画を立ち上げる
  • 編集者:個別記事の仮タイトルを決める
  • ライター:記事を執筆する
編集長・編集者・ライターのそれぞれが、本来の役割に没頭できるようになったという表現の方が正しいのかも知れない。(もっとも、「手直し」や「教育的指導」が完全に無くなったワケではないが…)

課題:ネタ切れ問題

一方で、「記事制作フロー」へのインプットである『仮タイトル』について、その品質が議論されるようになった。

つまり、(これはオウンドメディアにとっての永遠の課題なのかも知れないが)、毎日の『仮タイトル』の設定にネタ切れ感が漂うケースがあるのだ。「似たような記事を最近書いたような…」「これは流石に誰も読まないんでわ…」など。

この際、記事のアイデア(仮タイトルの案)や連載企画のアイデアについて、社内から提案できるようにしたい。アイデアが沢山溜まっていれば、編集者や編集長の助けになるに違いない。そして『仮タイトル』の設定クオリティも高まるハズだ。

[記事アイデア受付プロセス]