第571話:プロセス改善物語(Webメディア編1)

2018年1月22日

業務:サイト記事の作成

いくつかのWebメディア発行会社では「記事の校閲」が実践されているようだ。

それは「医療サイト」や「ファッションサイト」といった商業ベースの『まとめ系サイト』(キュレーションサイト)に限らず、自社事業関連情報を発信する『オウンドメディア』でも、記事の「信頼性」高める努力が払われているらしい。

ウチでも、
  • 「編集長」が季節連載などの企画を立ち上げ
  • 「編集者」が個別記事の仮タイトルを決め、
  • 「ライター」が記事を執筆し
  • 「編集者」がチェックし、
  • 「Webデザイナ」が記事や写真を掲載する
という流れ(ワークフロー)の中で「編集者」が「記事の校閲っぽいこと」をしてはいる。しかし「全ての発信情報に間違いはない」と断言できる体制ではない。

課題:一次草稿の品質

色々と議論はあったが、まずは「ライターさんのスキルアップ」を考えることにした。特に編集者から何度も「差し戻し」を食らっているライターさんを何とかしてあげたい。

スキルアップの方法はイロイロと考えられるが、ウチでは「ライター自身も他のライターが書いた記事を校閲する」という方針を立ててみた。やや荒療治ではあるが、「人の振り見て我が振り直せ」とでも言えば良いのだろうか、、、いずれにせよ、日ごろから他のライターが書いた記事を見ることで自分自身の反省すべき点に気づいてもらう、という作戦だ。

副次効果的そして中長期的に「編集者」が感じている校閲の負担感も下がると思う。

[記事の校閲フロー]



解決:二段階レビュー

チェック工程は「品質の向上」だけでなく「人為的ミスの防止」といった観点でも良く使われる考え方です。そして、チェックを行う人の「スキルアップ」にもつながります。

そのチェック工程を「二段階」にすると、たしかに「スピード感」は損なわれる可能性がありますが、より多くの人のスキルアップが期待できると言えるでしょう。また、Web記事のように「編集者」への負担が集中してしまいがちなケースでは、「役割」や「働き方」を考え直す良い機会にもなります。

この業務プロセス定義では、ライターの中から「ライティング担当」と「一次校閲担当」を指名するルールになっています。すなわち、「編集者」が「仮タイトル」を設定する際に、その企画記事の主旨や各ライターの経験、さらには各ライターの仕事負荷状況を総合的に見て、指名します。

考察:新規執筆工程と修正執筆工程の分離

この業務プロセス定義のフロー図では、『2.記事執筆』の工程と『2x.記事修正』の工程がそれぞれ用意されています。

たしかに『2.記事執筆』(新たに記事を書く工程)と『2x.記事修正』(いわゆる差戻工程)で入力できるデータ項目に差異はありません。しかし、あえて両者を分離定義しておくことで、ライターのタスク一覧(マイタスク)において「差し戻された草稿」と「これから執筆する案件」を明確に区別して認識できるようになります。

また「編集長」が滞留状況の確認でモニタリングする「ヒートマップ」においても、「新たに執筆中の記事」と「差し戻された記事」の違いを容易に視認できるようになると言えます。

[記事の校閲フロー:「1.仮タイトル設定」画面]

<データ項目一覧画面>


[雛形ダウンロード (無料)]
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