Business Process Outsourcing なる言葉がある。要するに外部委託だ。グループ企業内に特定業務を一元的に担う組織が存在する場合も、外部委託していると言って良い。

今日では、情報システム部門やコールセンター部門に留まらず、総務部門や経理部門も外部に委託する。それぞれの会社が得意な仕事を「分業」すると言う極めて合理的な考え方だ。しかし、現実は内製化したくなる場面も少なくない。多くの場合『コスト面』ではなく、『スピード面』や『品質面』で不満に感じる。

しかし、BPOサービスを提供する側が、BPMシステム(業務プロセス管理システム)を使いこなし、顧客の要望する業務フローに逐次近づける事ができたとしたらどうだろう? 『業務フローのダイアグラム』を使い、毎月のミーティングでカイゼン案を提示し、その日から業務フロー定義を変更できたとしたらどうだろう?

ここでは簡単の為に、総務アウトソーシングの名刺作成フローに注目し考察してみたい。

<各タスク名>
1.名刺作成申請、2.名刺作成承認、3a.作業着手通知、3b. 質問対応、4.作業完了報告、5.作業完了確認


[名刺作成:「3a.作業着手通知」画面]

今この瞬間、有効期限内の見積書は『何枚』提出されていているのか?
今この瞬間、それぞれの受注確率を加味した『受注見込総額』はいくらになるのか?
あるいは・・・
あのXXX案件の『現状のステータス』はどうなっているのか?
あのYYY案件の『最新の見積金額』はいくらになっているのか?

セールス関連の情報は、経営判断や事業方針決定に欠かせない。今どきの営業支援システム(SFA)でも「リアルタイム」にセールス関連情報を可視化できる。特にオンライン(クラウド)で管理する意義は大きい。例えば、過去に提出した見積書をいつでもどこからでも検索する事ができる。同じ顧客に対して違う見積金額を提示してしまう事も無くなるだろう。

しかし『見積書発行プロセス』や『受注プロセス』が自ら定義できるのなら、業務プロセス管理システム(BPM)で「セールス関連の情報」を収集する事ができる。(更には『生産プロセス』につなぎこむ事もできるだろう)

<各タスク名>
0. リード入力、1. 一次コンタクト、2. 提案ヒアリング、3. 見積書提出、4. 受注報告

[引合~見積書作成フロー:「2. 提案ヒアリング」画面]

会社によっては『翻訳』と言う仕事が「あちこちの部署」で発生する。「Webサイト」を翻訳したり、「プレゼン資料」を翻訳したり、場合によっては「製品に直接印刷される注記」を翻訳したり…。この様な場合、翻訳チームは、多くの部署からの翻訳依頼に対応する事になる。そして『翻訳業務フロー』は特定の部署に帰属する業務フローではなくなる。

業務プロセス管理活動(BPM活動)が成熟して行く過程において、特定の業務処理を共通化(サービス化)させる事は良く行われる。この翻訳チームは「社内向け翻訳サービス」を提供する組織となる。

以下のワークフロー定義は、多くの部署の業務プロセスから共通的に「呼び出される事」を想定した日英翻訳フローの例だ。

<各タスク名>
0.原稿投入/翻訳者指名、1.翻訳者指名、2.翻訳文作成、3.翻訳文レビュー

[日英翻訳 : 「1.翻訳者指名」画面]

提案書を作成したら…、Webコンテンツを作成したら…、プレスニュースの原稿を作成したら…、事業報告書を作成したら…、どんなものでも「レビューをしてもらう習慣をつける」事は大切だ。作成した本人には気付かない助言や第三者視点の感想が得られる。

以下のワークフロー定義は、ホワイトワーカ達は、企画書や提案書など何か成果物を作成する度に誰かにレビューを依頼すると言う仕組みだ。指名する相手は、上司でも良いし、同僚でも良い。

<各タスク名>
1.レビュー依頼、2.レビュー依頼対応報告、3.レビュー依頼対応確認

[汎用レビュー依頼 : 「3.レビュー依頼対応確認」画面]