今日では、情報システム部門やコールセンター部門に留まらず、総務部門や経理部門も外部に委託する。それぞれの会社が得意な仕事を「分業」すると言う極めて合理的な考え方だ。しかし、現実は内製化したくなる場面も少なくない。多くの場合『コスト面』ではなく、『スピード面』や『品質面』で不満に感じる。
しかし、BPOサービスを提供する側が、BPMシステム(業務プロセス管理システム)を使いこなし、顧客の要望する業務フローに逐次近づける事ができたとしたらどうだろう? 『業務フローのダイアグラム』を使い、毎月のミーティングでカイゼン案を提示し、その日から業務フロー定義を変更できたとしたらどうだろう?
ここでは簡単の為に、総務アウトソーシングの名刺作成フローに注目し考察してみたい。
<各タスク名>
1.名刺作成申請、2.名刺作成承認、3a.作業着手通知、3b. 質問対応、4.作業完了報告、5.作業完了確認
[名刺作成:「3a.作業着手通知」画面]
<各プロセスデータ名>
- 件名(text)<名刺作成者名>
- 文字型:部署名肩書名
- 文字型:漢字氏名
- 文字型:ローマ字氏名
- 文字型:メールアドレス
- 文字型:名刺記載資格
- ユーザ型:承認上司
- 選択型:要上司承認判断(要/不要(メール通知のみ))
- 選択型:上司承認フラグ(OK/NG)
- 選択型:着手フラグ(質問あり/質問なし)
- 選択型:作業完了判断(完了/やりなおし)
- 文字型:質問
- 文字型:回答
- 掲示板型:通信記録
この例では、総務サービス(BPOサービス)を提供する会社は、作業指示(名刺作成依頼)を受けるとその作業内容を確認し、問題なければ作業着手の報告を行う(タスク『3.作業着手通知』)。そして作業終了後に、あらためて『4.作業完了報告』を行う。
しかし、この業務フローでは「途中進捗」が見えない。最初の作業指示に不幸にも誤植が含まれていた場合、誤植のある名刺が大量に届くことになる。その様な事態が発生した場合には、BPOサービス提供会社として、確認タスクの追加を提案すべきだ。すなわち「この画像ファイルでOKですか?」と作業指示者に対して確認する。
この様な「小さなカイゼン」が継続して提案されれば、委託側の満足度は飛躍的に向上するだろう。
<各タスク名>
1.名刺作成申請、2.名刺作成承認、3a.作業着手通知、3b. 質問対応、4.途中報告、5.途中確認、6.作業完了報告、7.作業完了確認
<追加されたプロセスデータ名>
▼フロー制御▼
- 選択型:途中確認フラグ(OK/NG)
- ファイル型:チェック用画像データ
<類似プロセス>
- 新人さんが入社した時に実施すべき一連の手続き (2010-12-25)
- 大企業での消耗品調達申請フロー (2010-11-19)
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