「稟議 (RINGI-system)」をペーパレス化するとなると、アレコレ「あるべき姿」を考えたくなるモノだ。

特に日本企業の場合、(a)他部門の責任者にも承認を求める日本の伝統的な流儀を継承するのか、(b)決裁権限者にのみ素早い判断を求める体制に移行するのか、、、まずは基本的なトコロから考え直さなければならない。

以下の業務プロセス定義は、「Proposal (企画)」を会社に提出すると、起案者から見た組織ツリー上の決裁者に対し、ダイレクトに決裁判断を求めるフローだ。つまり日本の伝統的な流儀を継承していないスピード重視のフロー図だ。もちろん「稟議システム」と言っても良いが、ココはあえて「企画決裁システム」と表現しておこう。秀逸なポイントは、決裁までに要した時間が自動的に計算される仕組みだ。

ちなみに起案者と決裁者が同一人物の場合について、条件分岐を付けたがる人が居る。しかし、ソコは役割や人格が違う訳であり、自分で起案し自分で決裁すれば良い。

[企画決裁フロー]

ココだけの話だが(?)、「システム障害対応」は盛り上がる(!!)

情報システム(コンピュータシステム)に『障害』はツキモノだ。一般の方からは「さぞや身も心も疲弊するのだろう」とか「タイヘンな仕事だね」などと思われがちだが、実はそうでもない。いざコトに当たっては、アドレナリンが分泌され、脳味噌は覚醒し、何故か分からないが、仮にそれが真夜中であったとしても一心不乱に障害の原因を探究する事ができるのだ。そして対応完了時にはスガスガしい気分になれる。意外と健康的な仕事だ。(もっとも、その直後に覇気を失う)

そして、こういった「非常事態」を共に乗り越えると、これまでの知識も整理され、また組織としてのチームワークも醸成される。技術鍛錬の観点でも意外と悪くない。(もちろん、その発生頻度が頻繁なモノであれば耐えられないのかも知れない。。。)

(改めて書いておくが、ココだけの話だ!!?)

以下の業務プロセス定義は、「障害チケット」(トラブルチケット)と呼ばれる緊急対応案件を管理するワークフローだ。障害チケットがオープンされれば関係者に一斉通知され、各対応者が指名される。役員や従業員の内で [データ閲覧権限] がある人は、リアルタイムに状況をモニタリングするだろう。(そして社内SNS機能では、「『断続的』って頻度は?」や「『一部のユーザ』って誰?」などの会話で盛り上がる)

なお、この業務プロセスの最終成果物は「事後レポート」だ。対応チームとWeb公開チーム、両方のチームでそれぞれに作成される。

[障害対応フロー]

「メールを送信する家電」と言えば、2001年登場の「賢い給湯ポット」だ。(通信の仕組みが特殊だけど)

離れて暮らす年老いた両親をさりげなく見守る電気ポットは、日本ではちょっとした人気商品だ。今や「おでかけボタン」なるものまで装備され、「給湯した時刻」や「電源を入れた時刻」だけでなく「帰宅や外出の時刻」までもメール本文にシタタメテ、毎日送信してくれる。(ちなみに「i-POT」と言う製品名だが、アップル社の製品ではナイぞ)

そして2014年、見渡せばメールを送信する安価な機器が沢山ある。。。(色んなモノがインターネットにつながった、と言ってもイイ)中でもスキャナとウェブカメラは、かなり成熟した「データ入力装置」と言えるだろう。今や3万円程度だ。非常に投資対効果の高い業務改善ツールと呼べるかも知れない。

以下の業務プロセス定義は、紙アンケートの集計フローだ。

フランチャイズ飲食の来店アンケートや生命保険の契約者アンケートなど、回収アンケート用紙が各店舗でスキャナにかけられると本部でテキスト化作業が始まる、と言う仕組みだ。つまり、本部ワークフローは「スキャナから届いたメール」がトリガーとなって起動され、担当者はスキャン画像(PDF,JPG)をモニタで確認しながら人力でデータ化するのだ。なんと言っても、データ化の進捗がリアルタイムで把握できるようになるのが素晴らしい。それでいてデータ作業者の実績集計もラクラクだ。

ちなみにこのサンプルは、データ入力作業の「二者入力」(二重入力/ダブルエントリー)にも対応している。もちろんクラウド型ワークフローなら、テレワーカの活用やBPOサービス会社への委託も検討されることになるだろう。

[アンケート集計フロー]

「内部統制」と言われても、今一つピンと来ない。
「内部統制の例を幾つか説明してみて」なんて言われたら、逃げ出したくなる。

しかし、それほど難しく捉える必要はない。内部統制は「不正を無くすための活動」と言うだけの話だ。
  • a. 壁に「不正経理は絶対ダメ」と言うポスターを貼る (統制環境)
  • b. 事務所の現金をチョロマカス奴でるか?を分析する (リスクの評価と対応)
  • c. 部長やメンバの権限を、キッチリと規程にまとめる (統制活動)
  • d. 顧客からのクレームが必ず複数人に伝わる仕組みにしておく (情報と伝達)
  • e. 他部署の管理職者にも業務日報が閲覧できるようにしておく (モニタリング)
例えばこれらの活動も「不正を起こさないための活動」と言える。(当然すぎて発想できない)

ただ、今日に至り注意すべきは、こういった活動もコンピュータやインターネットの活用を無視できない点だ。すなわち、全ての会社は、(1)会社を取り巻くIT環境を理解し、(2-1)これらの活動を支える様なITの利用を促進し、また同時に、(2-2)活用ITそのものをキッチリと管理できなければならない。事実、日本の内部統制は、上記5つに「ITへの対応」を加えた6つの観点で評価される。

以下のワークフロー定義は、情報システムの「利用者アカウントを新規発行」する業務だ。「内部統制」の根幹を支える業務と言っても過言ではない。

業務フロー図を眺めてもらえば分かるが、「アカウント発行」の他に「アカウントの削除」や「緊急時の発行削除」にも対応している。つまり、今現在の活用されている全てのユーザアカウントは、いつ申請され、いつ上司承認されたモノなのか、いつでも確認できるようになる。加えて、ここに流れた申請データは、
  • 「適切な時期に申請されているか?」
  • 「無用なアカウントが発行されていないか?」
  • 「アカウント発行のチェック体制は十分に機能しているか?」
など、経営者自身が作成する統制報告においても重要な基礎資料にもなる。

[システムID管理業務(PWリセット業務を除く)]