書類スキャンで「データ入力フロー」を自動開始させる意義

2014年8月11日
「メールを送信する家電」と言えば、2001年登場の「賢い給湯ポット」だ。(通信の仕組みが特殊だけど)

離れて暮らす年老いた両親をさりげなく見守る電気ポットは、日本ではちょっとした人気商品だ。今や「おでかけボタン」なるものまで装備され、「給湯した時刻」や「電源を入れた時刻」だけでなく「帰宅や外出の時刻」までもメール本文にシタタメテ、毎日送信してくれる。(ちなみに「i-POT」と言う製品名だが、アップル社の製品ではナイぞ)

そして2014年、見渡せばメールを送信する安価な機器が沢山ある。。。(色んなモノがインターネットにつながった、と言ってもイイ)中でもスキャナとウェブカメラは、かなり成熟した「データ入力装置」と言えるだろう。今や3万円程度だ。非常に投資対効果の高い業務改善ツールと呼べるかも知れない。

以下の業務プロセス定義は、紙アンケートの集計フローだ。

フランチャイズ飲食の来店アンケートや生命保険の契約者アンケートなど、回収アンケート用紙が各店舗でスキャナにかけられると本部でテキスト化作業が始まる、と言う仕組みだ。つまり、本部ワークフローは「スキャナから届いたメール」がトリガーとなって起動され、担当者はスキャン画像(PDF,JPG)をモニタで確認しながら人力でデータ化するのだ。なんと言っても、データ化の進捗がリアルタイムで把握できるようになるのが素晴らしい。それでいてデータ作業者の実績集計もラクラクだ。

ちなみにこのサンプルは、データ入力作業の「二者入力」(二重入力/ダブルエントリー)にも対応している。もちろんクラウド型ワークフローなら、テレワーカの活用やBPOサービス会社への委託も検討されることになるだろう。

[アンケート集計フロー]



[アンケート集計フロー:「1A.画像をみてデータ入力」画面]

この業務プロセス定義には、メール受信による自動開始ポイントが4つも存在する。

すなわち「二者入力フロー」と「シングル入力フロー」のどちらにも対応し、それぞれ開始アドレスが異なる。また加えて、どちらのワークフローで処理すべきかを監督者に委ねる開始アドレス、更には入力者に委ねる開始アドレスも想定されている。

ちなみにサンプルのデータ項目は「アンケート用紙のスキャン」を題材とした内容になっているが、(賢明な読者諸氏には説明するまでもないが)、この業務の流れ図は他業務にも応用が利くだろう。つまり、「サービスの申込書」、「試験の解答用紙」、「展示会で獲得した名刺」、「年金の手続き資料」、「患者さんの同意書」など、、、1枚1枚のスキャン画像について、誰かが何らかのアクションをとる業務は他にも沢山ある。(他にも、資料請求はがき、ポイント交換請求、契約解除申込、納品伝票、入試問題速報などなど)

(更にちなみに言えば、スキャナからのメールでなく、スマホからのメールや、インターネットFAXからのメールをトリガーにしても構わない。)

PS
活字が印刷された文書画像からテキストデータを抽出する作業は、OCR技術(光学式文字認識技術)にてコンピュータ化されつつある。Google Drive でも、自動的に文字認識させることができる。しかし一方で手書き文書は、文字としての認識させる事すら難しいのが実情だ。漢字文化圏の文書に至っては、もはや「アート」でしかない。
つまるところコンピュータが苦手とする処理はまだまだ沢山ある。一般論ではあるが、「人力で対処せざるを得ないワークフロー」こそ、最もブラッシュアップされ続けなければならない業務と言えるのかも知れない。(日本語手書き文書の自動認識って、、、文字の種類が多さ、縦書きの併用、書き手のクセ、などを考えれば、あと20年~30年はムリか??)

PS2
もしメールプロトコルによるデータ伝送に難があると感じる場合、「メール自動開始」ではなく「HTTP自動開始」に置き換えた業務プロセスを設計すべきだ。ただしその場合、スキャン画像を REST 通信させるための仕組みが別途必要になる。

<データ項目一覧画面>


[雛形ダウンロード (無料)]
<類似プロセス>
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