2012年も「ワークフローサンプル」ならびに「クラウド型ワークフロー QUESTETRA」を御愛顧いただき、誠にありがとうございました。今年は、プロセステンプレートの公開数が500を超え、また Questetra のメジャーバージョンも9をリリースでき、非常に充実した年になったと思います。

来年2013年も、全世界の皆様の御期待・御要望に応えられるよう、サンプル公開と機能強化に邁進したいと考えています。引き続き御贔屓下さい。

 おうえん⇒ https://www.facebook.com/Questetra

と言う事で(!?!)、2012年最後のサンプルは、少し趣向を換え、「2012年12月31日現在 Questetra が対応しているデータ型」をテストできるプロセスです。「Questetra で取り扱えるデータ型ってどんなだっけ? ちょっと確認したいな」と思った時に、インポートしてお使い下さい。

文字型・数値型・日付型・選択肢型・ファイル型・ユーザ型・掲示板型・テーブル型…など、10タイプ18種類のデータ型をテストする事が出来ます。

[データ型テスト]

「BPO は BPM の主戦場だ」
IT調査会社のセリフだが、一般人にとっては既に暗号文だ。エンタープライズ・ソフトウェアの業界に身を置いているオタクにしか通じない。要するに、
  • 「申込ハガキなどの画像データをテキストデータ化する」等の仕事は外部委託(アウトソース)される。
  • その業務を請け負う会社にとって『BPMツール』は事業の根幹をなすほど重要なツールになろうとしている。
  • だから『BPMツール』の開発会社にとって、請負会社で活用されるかどうかは非常に重要だ
と言うカンジになる。

※ BPM: Business Process Management 業務プロセス管理

BPO(Business Process Outsourcing)で委託される業務の一つに「データ入力作業」(アンケート・年金記録・保険契約・プレゼント応募、などなど)がある。この例ではそのデータ入力業務の業務プロセスが定義されている。

[データ入力フロー]

資産管理は「メンドウ」だ。
特に備品の管理は「ホントにメンドウ」だ。行政機関における備品の管理は「聞くまでも無くメンドウそう」だ。
とは言え、税金で購入されている以上は「どっかにあるんぢゃないですかねー」では済まされない。

日本の行政機関は『物品管理法』と呼ばれる法律に従って備品や消耗品を管理する。そこには、物品を管理するための『文書』が膨大に発生するのだが、何とかして『電子文書』に移行したい。
以下のワークフローは『返納』と呼ばれる業務の流れを定義している。パソコンを使っていた職員が、パソコンを使わなくなったので返還すると言う手続き(物品返納プロセス)だ。

私見ながら、行政こそ『クラウド型ワークフロー』を率先して導入し、クラウド産業と言う21世紀有望な新産業を振興すべきだと思う。

[物品返納プロセス]
クラウド型グループウェア Google Apps の進化が止まらない。
この12月(2012年)、オンラインストレージ『Google Drive』の書類を気軽に「添付」できる様になった。(この4月にリリースされたネット上のファイル保管領域)

「Gmail の多機能さ」、「Google Calendar の使い易さ」、「Android スマートフォンとの親和性」、あたりが人気の Google Apps だったが、今後は「Google Drive の包容力」(?)も大きな支持を得て行くのだろう。世の中の会社から『ファイルサーバ』が消えて無くなる日も遠くない。

以下の人事考課ワークフローでは、人事考課シートを Google Drive に置いたまま、そのシートを参照する形で「評価工程」が進む。実にクラウド時代のワークフローだ。

参考)Cloud News 『Gmail と Drive が更に密に』

[人事考課フロー]

フィールドエンジニアリング(field engineering)とは、定期点検で障害発生を未然に防止したり、実際に発生してしまった障害に対応したりするサービス。複合機や制御機器などの販売事業には欠かせない。

多くの場合、緊急的な依頼に基づいて、カスタマエンジニア(Customer Engineer)と呼ばれる作業員が派遣される。ちなみに日本では「サービスマン(service-man)」と言う何とも不思議な和製英語も使われているが、今日ではガス器具や大型家電製品などの修理員と言う意味に限って使われているような気がする・・・。(どうでもイイ)

以下の業務プロセスでは、作業員(CE)への仕事割り当てが行われ、作業員(CE)からの作業報告が記録される。最大の狙いは言うまでも無く『作業進捗の可視化』だ。

[カスタマエンジニア進捗管理]

「PayPal の『今すぐ購入』ボタンを作って!」

今や個人でも簡単に『オンライン販売』ができる。「画像」だろうが、「訪問サービス」だろうが、あらゆる製品サービスに対して『購入ボタン』を作成し、ホームページに設置する事ができる。しかも「3~4%」+「40円 (or $0.30 USD)」の手数料を差し引かれるだけだ。

具体的には、販売者は 『PayPal』 にログインし、『製品とサービス (Product & Services)』メニューから『ウェブ ペイメント スタンダード (Website Payments Standard)』に行き、ボタン種類を選択するだけで、ボタンづくりを始められる。(PayPal のまわしもの?)
  1. 単一商品販売 (Single items)
  2. ショッピングカート (Multiple items)
  3. 定期的な自動支払い (Automated payments)

しかし、
しかししかし、
組織内の誰しもが『今すぐ購入ボタン』を作れる状況は、あまり望ましくない。ボタンの命名規則(PayPal 側に保存される)や、ボタン設定の統一感も図りたい。

[PayPalボタン作成依頼フロー]
プリンタ用紙の在庫が無い!

最後に使い切った人が、総務部に連絡してくれたらイイのだけど、ナカナカ徹底できない。。。
実は、総務は連絡を受け取ったのだけど、その後の発注につながってなかった。。。

まぁ、色々と悩ましい「オフィス消耗品の発注管理」だ。今どき「発注」にさえ至れば、当日配送も可能になったのに・・・。

ここで紹介するワークフローは、複合機の前で、総務部に伝達できる点が秀逸だ。(もちろんメールアドレスは張り付けておく)
すなわち、紙が出てくるのを待っている間に、スマホでメールを送りさえすれば良い。わざわざ総務部に足を運ぶ必要もなければ、『プリンタ用紙の在庫無くなった』と言う内容をメールにしたためる必要もない。

[在庫切れ報告&発注フロー]


「このワークフローシステムでは、『代理承認』できますか?」
何気ない一言ではあるが、意外と幅広い意味で使われている様だ。
例えば日本政府でも、様々なケースを想定し、「分任官制度」や「代理官制度」「代行機関制度」などの内部委任制度が整備されている。

  • A. 往訪外出など短期不在の際にのみ、臨機応変に次席職位者が代行処理を行える
  • B. 往訪外出など短期不在の際にのみ、特定業務の特定処理を委ねる
  • C. 入院旅行など長期不在の際にのみ、あらゆる業務の全権を委ねる
  • D. 常に一部特定の業務について、その処理権限を委ねる

一般企業においても、忙しい営業部長がワークフローシステムにログインできず、なかなか決裁できない事態を想定し、決裁権限の委譲ルールを整備すべき場合がある。

以下の稟議フローは、上記Aのパターンである「代理官」による決裁フローの一例だ。
本官(営業部長)の決裁タスク『2.決裁』が3時間放置された際には、複数人の代理官(副部長や部長代理など)にも決裁権限が委譲される仕組みだ。

[3時間で決裁権限が委譲される決裁フロー]


日本の営業マンにとって、名刺は「大量消耗品」だ。展示会に立とうものなら数百枚単位で無くなる。日頃から残存枚数を気にして、適宜「追加発注」を行わなければならない。

名刺作成依頼は、非常にシンプルなワークフローだ。実際、申請フロー(システム)など無くとも、「メール依頼」でそれなりに業務は回る。

しかし、実際に名刺作成申請をワークフロー化すると、色々と可視化されて面白い。
  • セールスマン別の「消耗スピード」を比較
  • 営業部全体の「大量消耗時期」をグラフ化
  • 営業部内の「資格保有者」を検索

業務プロセス設計の練習題材にするのにもモッテコイだ。是非、試してほしい。

[名刺作成依頼フロー]

メールマガジンは「購読者にとって有益な情報」を伝える仕組みだ。『旬な情報』を『正確に』伝えたい。

メールマガジン(英:News Letter)の位置づけは、発行者によって大きく異なるが、例えば、通販会社にとっては「売上に直結するマーケティングツール」であり、またメディアサイトにとっては「アクセスを大きく左右する誘導ツール」だ。すなわち、メールマガジンが「事業の重要な役割」を担うケースは少なくない。

原稿作成工程は『素早く処理が進み』かつ『ミスが発生しづらい』を実現する手順でありたい。

以下の業務プロセス例は、月間20本程度の原稿が作成されるメルマガ原稿作成ワークフローだ。「火木土週3本の定期発行」と「任意タイミングでの発行」が想定されている。この作業手順や自動処理工程には、滞留やミスを未然に防ぐ工夫がなされている。
  • 定期発行前日に自動起動される
  • 各工程の締切時刻が、明示的に設定される
  • 定型部の「発行日付」や「コピーライトの年表示」などが、自動設定される

<想定組織>
プロデューサ:1名、ディレクター:1名、ライター:3名(兼務)、イラストレーター:3名(兼務)、フォトグラファー:1名(兼務) (※ディレクターはイラストレーターの兼務も)

[メルマガ原稿作成ワークフロー]
ビジネスに契約書はツキモノ。
そして「契約の締結」は、メンドウながらとても大切なヒューマン・プロセスだ。そして分業せざるを得ない。少しでも効率よくしたい。

ちなみに日本の大企業は、取引を始める際に「NDAの締結」を求める。しかし、その雛形に書かれている内容は『不正競争防止法』(1993)に重複する内容がほとんどだ。時に『パリ条約』(1883)で書かれている様な基本的な権利に関する事も加筆されたりする。いずれにせよ、受ける側の会社は「妙な事が書かれていないか」をチェックすると言う「不毛な作業」が強いられる。

法務チェックには「NDA締結」の様に極めて非生産的な案件も含まれる点に注意して業務プロセスを設計したいものだ。

※ Non-disclosure agreement/秘密保持契約
※ Unfair Competition Prevention Act/不正競争防止法
※ 工業所有権の保護に関するパリ条約

#全ての大企業の「NDA雛形」を「第1条:不正競争防止法を守りましょう」だけに改めれば、日本のGDPはグンと伸びるかもね。。。

以下の法務チェック・ワークフローでは、上司による『2.契約書案を承認する』と、法務による『3.契約書案を承認する』を、スキップする事ができる。

[契約ワークフロー]

「パソコンを買う」、「人を雇う」。。。
実際のところ『トップダウン』で即決される事もあれば、『ボトムアップ』に決裁される事もある。どちらが良いと言うものではない。しかし『トップダウン決定』も『ボトムアップ決裁』も、どちらも組織としての決定情報として一元記録したいものだ。

以下の業務プロセス定義は、(起案者はさておき)、最終的な決定者、決定時刻、決定内容が、同じフォーマットで記録できる「意思決定プロセス」の事例だ。組織としての決定は、ここに流れたプロセスを参照すれば良い。ここでは「トップダウンで即決された事」を、さも「ボトムアップで決定された」かのように記録するような事はしない。

このクラウド時代にあって「組織としての決定データ」を電子化すべきは当然だが、この事例の様に「組織としての決定フロー」を複数想定しておくことも、組織機動性担保の観点で重要だと言える。

#稟議書を『紙』で保存していたのでは、「過去の決定」を検索する事すらままならない。


ちなみに、、、
日本には、ボトムアップ型の意思決定記録フォーマットとして、「稟議(RINGI)」と言う仕組みがある。

社内規程で定められた起案責任者によって立案され、多人数の同意を得てから、決裁者が決裁する。例えば『大規模な広告』を出稿する際には、起案責任者は大規模広告が必要な理由や広告出稿の概要を書いた文書を作成し、それぞれの広告費の見積書を沿えて提出する。実際、その稟議書が決裁者に辿り着くまでに相当な時間と手間がかかってしまう。

しかし違う観点から見れば、決裁する時点で

  • 本当に『大規模な広告』にする必要があるのか?
  • もっと『大規模な広告』にする必要があるのではないか?
  • その広告に伴う『リスク』に対応できているか?
  • その広告によって得られる『効果』は正しく予想されているか?

と言った議論は十分に尽くされているとも言える。すなわち、決裁後の広告出稿作業は、驚くほど迅速かつ円滑に進められる。多くの場合、トップ自らが広告出稿作業について指示する必要はない。
日本企業の中で根強く支持され、今後もしぶとく(?)生き残るであろう仕組みだ。

[調達決裁ワークフロー]


ワークフローシステムは「デスクワーカー」と相性が良い。
例えば、多くの時間をパソコンと向き合う『翻訳者』とは、実に相性が良い。

以下は、主にWebコンテンツを想定した『翻訳ワークフロー』だ。
日本語原稿を投入すれと英語とスペイン語が出来上がってくる仕組み??だ!?! ある程度運用すれば、徐々に原稿量とその所要時間の相関が見えてくる。




[翻訳ワークフロー]

[社内SNSの様子]


「ワークフロー」は2000年ごろから、
  • 稟議決裁
  • 経費精算
  • 旅費交通費精算
などの領域で大きく進化し、大幅な事務工数削減に貢献してきた。これらを「ワークフローの3大アプリケーション」と呼ぶ人もいる。電子化(オンライン化)されて、履歴が自動的に残る様になり、集計が極めて高速化された。

その後、社内LANなどの環境整備にあわせて、社内業務は次々と電子化される。
  • 勤怠・勤務時間報告
  • 調達・資産管理
  • 総務申請
  • 人事採用
などもワークフロー化される様になった。特に部署横断的な業務フローや、遠隔拠点間をまたぐ業務を電子化する意義は大きい。

そして今日のクラウド時代。
ワークフローは社内業務に留まらない。
すなわち、社外からの問い合わせに対する対応業務もワークフローシステムで運用できる様になった。具体的には『製品問い合わせ』や『クレーム』あるいは『見積依頼』や『個人情報保護窓口』なども、業務手順(業務プロセス)に従って電子的に処理できるようになった。

以下の業務フロー定義では、Webやメールの問い合わせだけでなく、Facebook や Twitter 等での問い合わせ(社外トリガー)も、連携設定で同じ流れに取り込む事が可能だ。ワークフロー途中で「翻訳」や「助言」に流す事もできる。
ちなみに、「外部システムと連携する様な業務」を柔軟にカイゼンできるのは、≪クラウド型≫ワークフロー『Questetra BPM Suite』ならではと言ったところだ。(無料アカウント発行中!!)


[問い合わせ対応フロー]

宿泊予約システム。機械的なメッセージも、それはそれで悪くない。
『10日前』と『前日』にリマインダ通知が届いたり、アンケートメールが『帰宅後の翌日』に自動的に届いたり…。

でも、もしそこに、心温まる一文が書き加えられていたらどうだろう?
「お帰りの日の金閣寺散策は、如何でしたか? 小雨が降っていたので、従業員一同心配しておりました。」などの心遣いがあれば、旅行者として嬉しいものだ。コレ、日本語でオモテナシと言う。

以下は、予約管理ワークフローに「人間処理」を足した事例だ。


[旅館予約対応フロー]
建設業や製造業、あるいはB2Cビジネスにおいて、FAXはマダマダ現役だ。
ここでは、「ワークフロー内の業務文書」を、インターネット経由で自動的に FAX
送信する仕組みを紹介したい。何と言っても、FAX送信側のペーパレス(Paperless)が実現する。加えて、送信日時や送信データなど、FAX送信に関わる全ての情報が自動的に記録される様になる!
(業務効率化指標もカンタン可視化)

何やらカッコイイ話に聞こえるが、しかし冷静に考えてみれば、今日2012年、「2001年宇宙の旅」どころか「2010年宇宙の旅」すら終わっているハズのこの時代に、
  1. 「複合機で印刷」して、
  2. その紙をまた「その複合機でスキャンFAX送信」する
などと言うナンセンス極まりない作業手順が撲滅されていないこと自体がマズイ。さぁカイゼンだ!

[Internet FAX Outbound]

「ファックスなんて、もう要らない!!」 (時代錯誤)

ソウダ、ソウダー!
そう・・・なん・・・だが・・・、やっぱりファックスは、、、要るね。。。(汗)

多くの企業で「紙を浪費するFAX機」は引退させつつも、「インターネットFAX」を導入する。日本でも、eFax・BizFAX・D-FAX・ペーパレスFAX・Toonesなど、様々なサービスがある。単純な話、FAX機器費/消耗品費/通信費が削減できる。言うまでも無く回覧や保存もカンタンだ。

ここでは更に、「受信したFAX」(画像データ)を効率よくワークフロー処理する例を紹介したい。

[Internet FAX]

会社の「基幹システム」を、ワークフローシステム上に作れるか?

今どきのワークフローなら可能だ。もっとも「ワークフロー」が何処までの機能を持って良いのか(?!?)…については議論が分かれるが、今日のノンプログラミング技術はホント・スゴイ。特に500人までの部署や会社なら、日々の業務実態を把握している社員こそが『自ら作る』べきだ。あえて乱暴に断言すれば「1000万円予算のオーダーメイドシステム」よりは、確実に良いものができる。

以下のワークフロー定義は、日本のSaaS事業会社「Questetra, Inc.」の『請求書作成フロー(受注報告&サービス提供報告含)』だ(!?!)
  • データ項目数は72
  • 内1つはテーブル型データ(可変長)
  • 途中工程で業務データを差込メールする仕組みあり
  • PDF帳票(請求書)を自動生成させる仕組みあり
  • 次月の請求書フローを自動開始させる仕組みあり
  • 締切時刻になれば自動的・時限的に承認されたものとみなす仕組みあり
  • 「外部システムからのメール」でワークフローを自動開始させる仕組みあり
  • 入力者・入力時刻に応じた候補があらかじめ表示される、データ入力の省力化の仕組みあり

もしこれを「オーダーメイドシステム」で作るとしたら、おそらく「要件定義だけで2人月」と言ったところか? その後の「設計・開発・テストで10人月は下らない」だろう。

[請求書作成フロー]

請求書発行を「自動化」しよう。うん、そうしよう。

請求書に記載すべきデータ項目は、ワークフロー内の決裁情報として保存されている訳だから、PDF雛形に差し込めばイイ。

ちなみに、ここでは、請求書発行フローの骨格を作る。
もちろん将来的に、請求書発行に至る「納品フロー」や「サービスの提供フロー」につなげる事も意識するが、まずは『請求書の発行状況』の社内可視化を実現したい。

[請求書発行フロー]

見積書は、(1+)早くて、(2+)上手くて、(3+)安いのがイイ (♪)

(1+)早くて、(2+)見やすくても、(3-)「高い見積書」は、イラナイ。
(1+)早くて、(3+)安くても、(2-)「見づらい見積書」は、イラナイ。

しかし何と言っても、(1-)『遅い見積書』は、もっとイラナイ。「クイック・レスポンス」はビジネスの基本である。


以下のワークフローは、メールで受けた見積依頼に素早く対応する「見積書承認発行フロー」だ。

昨日(2012年8月21日)、発表されたクラウド型ワークフロー「Questetra BPM Suite」 の Ver 9.0 新機能を、ふんだんに使っている。

[見積書承認発行フロー]

ワークフローは、誰かが「申請」して開始される。。。
そんな「組織内ドリブン」な業務は沢山ある。しかし、本当は「組織外ドリブン」な業務、つまり「組織外(社外)からのリクエストをトリガーにした業務」の方がもっと沢山ある。しかも「組織外ドリブン」な業務は、的確にルールに従って処理されるべきだ。

ここでは、Googleドライブ(旧「Googleドキュメント」)の『フォーム』で、(1)イベント参加のエントリを受け付け、(2)サンキューメール発行を自動化し、(3)入金確認を人間が行い、(4)入金確認の御礼メールを自動送信するワークフローを紹介する。(イベント申込受付対応業務)

[イベント申込受付対応業務フロー]

(1)分岐と(2)分流は違うね!!

鉄道の場合、(1)「分岐器」でどちらかの線路に車両が導かれる。河川の場合、(2)「分流ポイント」で両方の支流に水が流れる。一方で業務の流れの場合、分岐(split)するケースもあれば、分流(fork)するケースもある。

以下のワークフロー定義は、『震災発生時』や『気象警報発令時』に、あるいは『重大なサービス障害が発生した時』に、社内で共有すべき「緊急連絡」を迅速に決定する業務フローだ。誰が何をすべきか? 同時並行的に処理すべき事項は何か? 結果として整理された正確な情報を素早く伝えたい。

[災害トラブル緊急情報共有フロー]

ワークフローで申請する時、「自分の名前」を入力したり、「今日の日付」を選んだり、、、って不毛。
そんなの分かりきっているんだから、「初期値として入力されている状態」にしておいてくれ!!

以下のワークフロー定義は月報を報告する業務フローだ。毎月5日までに前月活動のダイジェストを上司に報告する。毎月1日の朝に『1.月報を書く』と言う仕事が自動的に全員に割り当てられる仕組みだ。

申請時には、多くのフォームに「初期値」やら「雛形」やらが入力されている。

[月報フロー-初期値]

日報報告のワークフロー。
書く方は1日1件だが、読む方は部下の数。「後でコメントしよう」と思って保留してたら「1000件溜まっちゃった」なんて話も…。

もし「『情報鮮度』が落ちた時点で意味が無くなる仕事」なのであれば、その時点で「自動的に流してしまう」と言う設定を検討したい。例えば「日報承認フロー」の場合、1日経てば「次の日報」が来てしまう。2日を過ぎてしまった報告は「自動承認扱い」にしてしまっても良いかも知れない。いずれにせよ、実運用において、無意味タスクが「仕事一覧(マイタスク)」を占拠してしまう事態は避けたい。

以下のワークフロー定義の「上司:コメントする」は、プロセス開始日時から48時間が経過したら(到達時点で48時間が経過していた場合を含む)、「上司:コメントする」タスク自体が自動消滅する設定だ。

[日報承認フロー]

日本のソフトウェア業は「システム受託開発」を中核として発展してきた。通称「SI事業」だ。そして今、衰退期にある。

もっとも「洋服」や「住宅」などと同様、裕福なスポンサー(パトロン)が存在する限り、請負型事業は存続するだろう。しかし一方で、この後退する景気局面にあっては、業務プロセス(ワークフロー)の効率化は避けられまい。加えてサービス品質の向上も模索しなければならないだろう。

ここでは、SI会社(元請け会社)の業務委託契約(外注契約)業務に関するワークフロー・サンプルを例示したい。


[外注契約フロー]