なんで、ワークフローに「ファイル添付」できないんだよぉ!

今どき、そんなワークフローは使い物にならない。ワークフローシステムも日進月歩、ドンドン進化している。「文字型」・「数値型」・「日付型」・「時刻型」あたりの基本データ以外にも、
  • 外部リストを使った「選択型」
  • 上流フローで選択候補を設定する「選択型」
  • 色々なデータをひとまとまりの表にできる「テーブル型」
  • タイムスタンプ付きで追記される「掲示板型」
の様なデータ型が使えるのだ。業務の流れをドンドン改善していく事を想定した「業務プロセス管理システム」(BPM: Business Process Management)でも、ワークフローに流れる「データセット」に様々なデータ型を定義できる。少なくとも Questetra では。。。

※ 参考)モデリング: 設定可能なデータ型 (Questetraの使い方:リファレンス)

と言う事で、今回は「契約締結業務」で必要なデータセットを考察したい。

[契約書確認フロー ]

「見積」から「受注」までの業務の流れを捕捉したい。

・今、どの見積書が「失注/受注」の判断を待っている状態なのか、いつでも確認したい。
・受注した時には、必要十分な情報をヌケモレなく、自動的に関連部署に伝えたい。

営業部門でやりたい事は色々あるが、まずは何より「現在情報の共有」だ。以下のワークフロー定義では、セールスチームの案件管理を、非常にシンプルな業務フローで定義している。まさに簡易SFAと言える。ここで注意したいのは、日常の業務報告はシンプルでなければ継続できない点だ。

このワークフローは、営業マンの『1.案件発生報告』に始まる。案件発生登録の直後には、営業リーダに対して『1a.助言や戦略の指示』と言うタスクが明示的に割り当てられる。

その後、セールス担当は自分の担当する案件で、見積提出や往訪などのステータス変更があった際に、タスク『2.見積提出や往訪の記録』で進捗を掲示板型データに追記し「一時保存」する。なお、もしチーム内に共有すべき事項があるなら、「商談中」のフラグを確認して「終了」させる。その場合には、チーム内への「案件進捗共有メール」が、自動的に送信される。

なお、受注や失注が確定した場合には、「受注・失注」のフラグをonにして、タスク『2.見積提出や往訪の記録』を「終了」させれば良い。自動的に「受注しました!メール」がチーム内に飛ぶ仕組みだ。

(敗北分析のためのデータは、上司だけが知れば良い。つまり「失注ですメール」はリーダだけに飛ぶように設定するのがイイような気がする)

[営業-見積もりから受注まで共有フロー]

完全に「無人」で一連の処理が終わってしまう業務フローと言うものもある。

「無人フロー」とは、何かエラーが起きた時だけ人間が関与する、と言った業務フローだ。例えば、(1)Webサイトで『無料アカウント発行』を受け付け、(2)自動的にアカウントがシステム設定され、(3)自動的に申込者に『案内メール』が回答される様なフローも、「無人フロー」の一種と言ってよい。

以下の業務フローは、他の様々な業務プロセスから売上データを受け取る「データベース」の様な役割を持つ無人フローだ。全事業の請求フローから売上情報だけがデータ送信され、全事業の売上データが集約される。

[売上データ集約無人フロー]

「業務フロー」を定義できるか?
とかく『IT知識』が必須だと思われがちだが、そうではない。むしろ『業務知識』が必須だ。

例えば「請求書発行フロー」。まさに基幹業務であり、その処理手順を全て列挙する事は容易ではない。
1.商品を「納品/発送」からの一連の手続きを補足するのか?
2.営業マンの「受注報告」からの一連の手続きを補足するのか?
3.あるいは「問合/引合」からの一連の手続きを補足するのか?
「その運用しやすさを考えた業務フロー範囲」を設定するだけでも一苦労だ。そして、言うまでもなく、あるべき業務フロー(ToBeフロー)は、事業内容、組織規模、組織風土によって異なる。

ここでは、レンタル事業やクラウドサービス事業などの請求書発行フローについて考察したい。契約に基づいて毎月繰り返し発行する例も考慮している。なお業務フローの起点は「受注報告」と設定している。

[請求書発行フロー-クラウド事業など]