「翻訳した文章、チーム内で共有したいな」

たしかに「メール共有」も悪くない。翻訳作業の完了と同時に、自動的にチームML(メーリングリスト)に送信される設定にしておけば、素早く翻訳文をチーム共有できるだろう。誤訳やブラッシュアップについてのフィードバックを得られる可能性もある。

しかし、受信した人が「指摘したい」と思った時に「メールでの返信」になってしまうのは、うれしくない。今どき、社内の情報交換は「社内SNS」がメインだ。


以下のワークフロー定義では、翻訳作業完了と同時に、社内SNSである[オープンチャット]に自動投稿される仕組みとなっている。クオリティの高い翻訳文に、素早く「いいね」することも可能となる。

[翻訳プロセス-OpenChat投稿]
  • 多言語で説明されている取扱説明文
  • Webサイトの原稿(HTML)
  • ソースコード

そんな原稿制作フローであれば、(「文字数」だけでなく)、「ハッシュ値」も自動記録される仕組みにしておきたい。

ハッシュ値とは、データに対する「要約文字列」(メッセージダイジェスト)だ。「指紋」(フィンガープリント)と呼ばれることもある。要するに、どんなデータからでも瞬時に「32個の16進数文字」(MD5方式の場合)が出力でき、1文字のデータ改竄ですら簡単に検証できるようになる。(詳しくは Wikipedia あたりを参考にしていただきたい)

以下のワークフローでは「ハッシュ値取得(MD5)」および「ハッシュ値取得(SHA256)」という[自動工程](サービスタスク)が使われている。どちらも[アドオンXML]によって機能拡張しておけば利用可能だ。(Questetra BPM Suite v11.1, 2016年9月初旬リリース?)

[翻訳プロセス-ハッシュ値]
この業務に必要な自動工程アイコン、、、欲しー!

業務プロセスを設計(モデリング)していると、さまざま処理を「自動化」したくなるものだ。

2016年8月末にもリリースされるクラウド型ワークフロー『Questetra BPM Suite』(v11.1)では、自動工程アイコンを追加で利用できるようになる。具体的には、パッケージ化された[アドオンXML]を入手し、機能追加ファイル(プロセスモデルファイル)としてインポートすることで、オリジナルの自動工程アイコンが利用できるようになる仕組みだ。


その[アドオンXML]は、多くの場合、
  • Questetra社のサイトからダウンロードする
  • サードパーティ各社から提供を受ける
と言った形で入手するだろう。しかし[アドオンXML]と言う表現からも容易に想像できるように「自作」する事も可能となっている。


以下のワークフローは、前回記事で紹介した『翻訳プロセス』にある[スクリプト工程]を、自作の[自動工程]に置き換えたものだ。

[翻訳プロセス-アドオン]
  • A. 翻訳前の原稿
  • B. 翻訳後の原稿
それらの「文字数」を自動的に記録しておきたい。

たしかに「人間が文字数をカウントしなければならない」なら絶対ヤラナイ作業だが、「ワークフローシステムが自動的に数えてくれる」なら記録として残しておこうと思う。。。


クラウド型ワークフロー『Questetra BPM Suite』の場合、以下に列挙したような自動処理であれば、自動工程アイコンが予め組み込まれているので、簡単に業務プロセスに追加することができる。
  • 文字列Aと文字列Bを結合する(M227)
  • 数値Aと数値Bを足す(M227)
  • 文字列を台紙 PDF に挿入された PDF を生成する(M228)
  • ファイルを Google Drive に保存する(M229)
しかし、この「文字数を数える」の例の様な作業を自動化するには、[スクリプト工程](スクリプトタスク)(M230)と呼ばれる万能型の自動工程を配置し、そのプロパティとしてのスクリプト(ECMA-Script/JavaScript)をセットする必要があった。(Ver. 11.0 時点)

[翻訳プロセス]
特定の「業務データ」を加工したい。
特定の「業務データ」のデータ型を変換したい。
特定の「業務データ」のプロパティとしての文字数を取得したい。

基本的な話として、「ワークフローシステム」は業務データの「受け渡し」を自動化する。ただ「受け渡し」だけでなく、「作業そのもの」についても出来る範囲で自動化(無人化)したいものだ。特に「機械的な作業」であれば尚更。。。

クラウド型ワークフロー『Questetra BPM Suite』の場合、
  • 文字列Aと文字列Bを結合する(M227)
  • 数値Aと数値Bを足す(M227)
  • 文字列を台紙 PDF に挿入された PDF を生成する(M228)
  • ファイルを Google Drive に保存する(M229)
と言った作業であれば、最初から組み込まれている自動工程でサーバサイド処理させることができる。しかし、少しでも「オリジナリティが高い作業」となれば、そうも行かない。

たとえば、以下のワークフローにある『文字数カウンタ』は、上流工程で入力された文字列型データXについて、(サーバサイドにて)、その文字数を数え、数値型データYに格納させる自動工程だ。こういった場合には[スクリプト工程](スクリプトタスク)(M230)と呼ばれる万能工程を配置し、スクリプト(ECMA-Script/JavaScript)をセットする必要がある。(Ver. 11.0 時点では…)

[文字数カウンタ]