第535話:システムを改良し続ける事こそ、真の働き方改革

2017年5月15日

小さく始める

「システムに慣れるには、どうしたら良いでしょうか?」

投資効果だけを考えれば「既存の非効率な業務」をシステム化するのが効果的です。もし「紙ベース」で行われている業務があるのなら、その業務のシステム化を検討すべきです。もし、受注・出荷・請求といった「基幹業務」に適用すれば、比較的容易に『効果』が『投資』を上回ることでしょう。

しかし、(1)管理者:システムの設定ノウハウが高くない、(2)一般社員:システムの利用リテラシが高くない、といった状況なのであれば、全く『効果』が出せない危険性もあります。それは「原稿用紙に手書き」してきた小説家に「パソコンでの制作」を強要するようなものです。

「システムの導入で、業務効率を悪化させてしまうかも」。そんな不安がある場合、まずは「小さな業務」で、(できれば毎日必ず行う業務で)、試運転するのが良いかも知れません。

改良し続けるという習慣

ペーパレスやテレワークを推進する際には、「ワークフローシステム」の導入が検討されます。

最初に適用する業務を何にすべきかは、非常に悩ましいところですが、たとえば、以下の「勤務時間報告」という小さなワークフローは有力な候補と言えるでしょう。何と言っても「必然的に毎日利用することになる」のが良いところです。

実際に「データ入力」を行ってみて、実際に「承認」を行ってみて、、、何が必要で、何が省略できるのか、おのずと理解が深まるでしょう。また、その利用の中で、様々なアイデアも生まれてきます。
  • 管理者: 業務フローの設計ノウハウが高まる
  • 一般社員: 工程を担当するという基本的な使い方を理解できる

[出退勤報告フロー]


スムーズな入力の探求

如何にミスなく、如何にカンタンに「データ入力」できるか?

このテーマも、一朝一夕に結論を出せるものではありません。それは「業務」によって大きく異なります。「メンバーの年齢構成」によっても異なってくるでしょう。あるいは「繁忙期/閑散期」によっても異なるのかも知れません。

この例では、出退勤日時を報告するにあたって、様々な入力支援アイデア(デコレーション)が施されています。たとえば、「時刻の入力」では『08:55』といった数字をキーボードで入力させるではなく、
  • 「現在時刻」ボタンのクリック入力
  • 「-1m」ボタンを数回クリックして修正
といった「入力方法」を実現しています。

さらには、入力した『出勤時刻』と『退勤時刻』から『勤務時間』を自己チェックできるボタンも追加されています。これは「働き過ぎ」を自覚してもらうための有効な試みとも言えるでしょう。

どうしても必要となるプログラミング知識

この様な「入力支援ボタン」や「チェックボタン」といったオリジナルのアイデア(デコレーション)には、「JavaScript」の設定が必要となります。

もっとも、今日現在に至っては、JavaScript 知識のある方はそれほど珍しい存在でもありません。

「業務効率を向上させるアイデア」を日常的に追加していくためには、それぞれのチーム内に JavaScript 知識を持つスタッフを配置し、「システム改善担当」として活動してもらうのが良いでしょう。もし10人を超えるようなチーム規模なのであれば、「システム改善担当」に専任してもらうことも検討すべきと言えます。

[出退勤報告フロー:「1.出勤時刻の報告」画面]

<データ項目一覧画面>


[雛形ダウンロード (無料)]
<類似プロセス>
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