第515話:契約書の承認はワークフローで!(改善編)

2016年12月26日

2016年も「契約書フロー」や「稟議書フロー」が根強い人気

今年最後の投稿です。2016年も毎週欠かさず業務テンプレを配信することができました。これもひとえに読者の皆様からの「応援メッセージ」や「いいね」のおかげです。

はい。来年(2017年)も頑張ります。

さて当ブログでは、これまで過去7年間に渡る合計500本以上の記事(と800近くのテンプレート)を公開していますが、今年2016年は、どんな記事が良く読まれたのでしょうか? 早速、今年一年間のアクセスログを調べてみました。

<トップ5記事>

やはり「契約書」や「稟議書」のオンライン承認(ペーパレス化)は根強い人気テーマの様です。(注:日本語版の調査結果です)

今ならどう書く?「契約書承認フロー」

しかし、この記事、すでに6年も前の記事です。

毎日毎日、業務プロセスを描いている身としては、やっぱり「今なら違うプロセスをお勧めするなぁ」などと思うワケです。(現在、日本語での Google 検索で「契約書 ワークフロー」の検索1位になっているので、「よく読まれる」のは仕方ないのですが。。。)

ということで、今年最後の記事は「契約書承認プロセス」をシンプルに描き直してみたいと思います。

[契約書承認プロセス(2010-11-12)]



[契約書承認プロセス]

[契約書承認プロセス:「1.契約書案の登録」画面]

手戻りの発生を減らしたい

最初に気になったのは、「差し戻しフロー」の書き方です。

契約書承認のような業務フローには「スグに処理できない工程」が多く、いわゆる「滞留」が発生しがちです。特に「差し戻しに対応する」といった工程は、「後回し」にされてしまうケースが多く発生します。

たしかに〔2.上司承認〕の工程から〔1.契約書案の登録〕に差し戻すワークフローを描いても良いのですが、あえて〔1x.上司指摘への対応〕という差戻専用の工程に流す定義にしておきたいところです。そうすることで、
  • 差戻工程に「到達の24時間後にアラーム」などの設定をする
  • 現在滞留が多い工程を一覧し、滞留している案件を一覧する(ヒートマップ)
といった運用上の工夫ができるようになります。

たとえば上司の視点で言えば、「オレが差し戻した契約が何件滞留しているか」がいつでも簡単に確認できるようになります。

関連マニュアル) M401 業務の流れ: 申請と差戻対応の工程を分け “手戻り” をモニタリングしやすいように設定する

<ヒートマップの画面>

業務プロセスをサブルーチン化したい

次に気になったのは「郵送処理」の工程です。

もちろん6年前の記事の様に「郵送処理」を契約書承認フローの中に描いても構わないのですが、総務部門にとっての郵送事務は「契約書」に限った話ではありません。契約書以外にも「請求書」や「納品書」など、様々な郵送事務を取り扱っている訳です。つまり、総務部門主導で郵便事務そのものを改善できるように『郵送事務プロセス』として別のプロセスにしておきたい所です。

実際、独立した『郵送事務プロセス』としておくことで、(法務部門ではなく)、総務部門自身が処理画面における注記を工夫したり、あるいはまたクラウドプリンタを活用した印刷の自動化を工夫したりすることができるようになります。

<メッセージ送信中間イベントの設定例>

世界中の業務プロセス改善が進みますように!

この記事では「気になった点」として2つの論点をあげました。しかし、議論できるポイントは他にも沢山あります。

違う言い方をすれば、同じ「契約書承認プロセス」でも、何十種類と描くことができ、それぞれの会社にとっての「あるべき姿(To-Be)」は、案件の頻度・業務の重要度・対応者数・対応者習熟度などによって異なるということです。それは、まさに「試行」して「錯誤」(不一致)を発見し続けなければなりません。

当ブログ『ワークフローサンプル』が少しでも世界中の業務プロセス改善に貢献できればと・・・、2017年も頑張っていきたいと思います。

PS: <トップ5記事(2016年に投稿された記事に限る)>


<データ項目一覧画面>


[雛形ダウンロード (無料)]
<類似プロセス>
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[英文記事 (English Entry) ]

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