上司とその上司に稟議を回す業務フロー図の書き方2

2013年3月25日
『上司』の承認を得て、さらに『上司の上司』の決裁を得る。
「上司とその上司に稟議を回す業務フロー図の書き方1」にて、二段階決裁の方法を紹介した。稟議業務以外でも良くある承認フローだ。今回は、前回の業務フロー図について、違う書き方を紹介したい。

以下のワークフロー図では、2番目のスイムレーンを「マネージャ」(職位による絶対的な指定)ではなく「申請を行った人の上司」(相対的な指定)にしている。
この様に設定すると、申請者が所属する組織の上司に『2.承認/決裁』仕事が割り当てられる事になる。すなわち「部長(役員)2人、マネージャ10人、メンバ50人」の内、『メンバ』が申請した場合は『マネージャ』が『承認』する事になり、『マネージャ』が申請した場合は『部長』が『決裁』する事になる。

[稟議フロー(相対的表記)]


[稟議フロー(相対的表記):「1.申請」画面]

前回紹介した業務フロー図では、『マネージャ』の地位にある人が『1.申請』で申請した際には、自分で「1.申請」と「2.承認」を連続して処理する必要があったが、この業務フロー図であれば「申請」するだけで部長決裁に回すことができる。

[稟議フロー(絶対的表記1)]


もっとも、この様なルールを実現するためには、組織設定において、『マネージャ』は「チームの責任者として」と「部の一員として」の両方の所属設定が必要となる。こうする事で『マネージャ』は、申請時に「部の一員として上司の承認を得る」と言う業務になる訳だ。なお、部長達にしてみれば、タスク『3.決裁』以外にも、タスク『2.承認/決裁』で決裁処理する必要がでてくる。もっとも『2.承認/決裁』で決裁処理した案件を『3.決裁』に回す必要は無い。

「これはコレで、部長が混乱するな…」
結局のところ「深さにバラツキがある組織」の場合、どうしても業務ルールをシンプルに記述できなくなる。実際、規程文自体も、「原則として、マネージャー承認を経て、部長が決裁する」と、例外を記述せざるを得ない。なお、前回(絶対的表記1)および上記(相対的表記)で示した業務フロー図以外にも、色々な書き方が考えられる。各社それぞれの実態に合わせて、「どの記述が誤解無く運用しやすいか」を検討&選択して頂く必要がある。

[稟議フロー(絶対的表記2)]

[稟議フロー(マネージャ起案を別の業務プロセスとして分離)]

ちなみに、やや込み入った話をすれば、仕様としての BPMN は「スイムレーン」に対して厳格な定義をしていない。すなわち、BPMN を動作させる BPMS によって挙動が変わる。注意が必要だ。(特に「リテインファミリア」[精通者処理]に対する考え方には様々な意見がある)


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