上司とその上司に稟議を回す業務フロー図の書き方1

2013年3月18日
社長1人、部長(役員)2人、マネージャ10人、メンバ50人。実にアリソウな組織構成だ。

仮に、この「メンバ50人」の内の10人が『部長直下』に配属されているとしよう。具体的に例示すれば、
  • 2人の部長が主管する部に直接所属している人が『5人×2』
  • 10人のマネージャが主管する「チーム」に所属している人が「4人×10」
の組織を想定してみる。もちろん「チーム」自体は「部」に所属する。もっと具体的に言えば、営業部の傘下に多くのチームがありながらも営業部長自身が営業事務メンバ5人を直接指揮し、製造部の傘下に多くのチームがありながらも製造部長自身が品質管理メンバ5人を直接指揮しているようなケースだ。

この組織構造の特徴は「深さにバラツキ」がある。良くアル話だ。
さて、こう言った「深さにバラツキがある組織」の場合、稟議承認フローのエスカレーションは、どの様な業務フロー図で表記すべきなのだろうか? 国際標準記法 BPMN に従った書き方を考えてみたい。議論が分かれる部分は「原則として、マネージャー承認を経て、部長が決裁する」と言う社内ルールを、どの様に描くべきかだ。すなわち、この組織の『5人×2』にとっては「マネージャ」が居ない。

[稟議フロー(絶対的表記1)]

最もシンプルな書き方は、まず「部長がマネージャを兼務している」と考えるやり方だ。
すなわち「営業部長自身が直接指揮する営業事務メンバ5人」を「営業事務チーム」と解釈する。組織の深さのバラツキが無い様に取り扱うと言っても良い。
この場合、全ての起案は「1.申請」→「2.マネージャによる承認」→「3.部長による決裁」の流れを踏襲する。大した手間では無いものの、この BPMN をそのままシステム化すると、部長はタスク「2.承認」と「3.決裁」を続けて処理しなければならない仕様となる。
ちなみに、この考え方を準用すれば、「マネージャが起案したいケース」もシンプルに考えられる。すなわち、マネージャは「1.メンバとして申請」し、自分自身が「2.マネージャとして承認」し、部長に「3.決裁」をもらえば良い。

なお、「営業部」が『組織』なのに対して、「マネージャ」は『組織』では無い。すなわち「マネージャ」は『ロール』で定義されるべき集団だ。この業務フロー図で言えば、全ての構成員は『自分の所属する組織』もしくは『上位組織』に居る「マネージャ」の承認を得る。Questetra BPM Suite における具体的な設定方法は以下を参照してもらいたい。

【ルール設定】 階層構造にないユーザ集団に仕事が割り当たる「業務ルール」を設定する



次週は、相対的な関係を使った業務フロー図の書き方を紹介しようと思う。「続けて処理」を無くし、ステップ数を減らす事ができる。

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