契約締結進捗はワークフローで管理せよ

2012年10月22日
ビジネスに契約書はツキモノ。
そして「契約の締結」は、メンドウながらとても大切なヒューマン・プロセスだ。そして分業せざるを得ない。少しでも効率よくしたい。

ちなみに日本の大企業は、取引を始める際に「NDAの締結」を求める。しかし、その雛形に書かれている内容は『不正競争防止法』(1993)に重複する内容がほとんどだ。時に『パリ条約』(1883)で書かれている様な基本的な権利に関する事も加筆されたりする。いずれにせよ、受ける側の会社は「妙な事が書かれていないか」をチェックすると言う「不毛な作業」が強いられる。

法務チェックには「NDA締結」の様に極めて非生産的な案件も含まれる点に注意して業務プロセスを設計したいものだ。

※ Non-disclosure agreement/秘密保持契約
※ Unfair Competition Prevention Act/不正競争防止法
※ 工業所有権の保護に関するパリ条約

#全ての大企業の「NDA雛形」を「第1条:不正競争防止法を守りましょう」だけに改めれば、日本のGDPはグンと伸びるかもね。。。

以下の法務チェック・ワークフローでは、上司による『2.契約書案を承認する』と、法務による『3.契約書案を承認する』を、スキップする事ができる。

[契約ワークフロー]



当方雛形の売買契約を先方に提示する様な場合には、法務チェック『3.契約書案を承認する』をスキップすべきだ。また「個別委託契約」の様に価格要素しかない契約書の場合も、法務チェックは省略すべきだろう。一方で「NDA締結」の様に取引商談上の意味合いが非常に薄い契約であれば、上司による承認は省略すべきと言える。

ちなみに、法務と上司、その両方を省略する事もできる。現実、誰の承認も得ずに締結できる契約など限られているが、自分自身に業務権限があって、また法務に確認を取るまでもない些末な内容の契約であれば、両者のチェックを省略し、単に『1.契約書案を登録する』(契約の記録をする)だけで良い。

なお、このワークフロー・サンプルでは、「先方作成の契約書」の場合でも「当方作成の契約書」の場合でも、同じ手続き手順を踏む。

ところで、タスク『4.先方の合意を得る』の工程には、様々な小さなタスクが内包されている。場合によっては、法務や上司に相談すべきシーンもでてくる。この様に定型的ではない作業(アドホックな作業)は、業務プロセスとして定義しづらい。
基本的には大きな一括りのタスクとして定義し、詳細はマニュアル整備や担当者の交渉スキル育成で対処すべきだ。具体的に言えば、例えば日常茶飯事的に対立してしまう先方優位の『専属的合意管轄』(Exclusive Jurisdiction)の設定などについて「譲歩ラインのルール」を整備しておくのが良いだろう。

[契約ワークフロー: 「1. 契約書類を登録する」画面]

<類似プロセス>

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