もっとも「洋服」や「住宅」などと同様、裕福なスポンサー(パトロン)が存在する限り、請負型事業は存続するだろう。しかし一方で、この後退する景気局面にあっては、業務プロセス(ワークフロー)の効率化は避けられまい。加えてサービス品質の向上も模索しなければならないだろう。
ここでは、SI会社(元請け会社)の業務委託契約(外注契約)業務に関するワークフロー・サンプルを例示したい。
[外注契約フロー]
外注契約はタイヘンだ。特に、なり立てプロマネは、知識不足と経験不足で調整の手間がかかって仕方がない。
無論、プロマネは「契約」に関してもある程度は精通している必要があり、また「組織としてのルール」も頭に入れておくべきだ。しかし、やはり『プロジェクトの円滑な遂行』や『委託先選定』で、プロマネとしての付加価値を発揮してもらいたい。
このワークフロー定義では「外注の決裁」に必要な調査や契約書類が管理系部門によって支援される。特筆すべき点は、不正や癒着を未然に防ぐ相互牽制のルールが、経理部と総務部の同時並行処理によって具現化されている所だ。そして、この業務プロセス定義に従って各案件を処理していれば、「履歴」としての価値も増すだろう。つまり過去の契約内容や、過去の与信結果をいつでも参照できるようになる。
ちなみに、日本では下請法(下請代金支払遅延等防止法)による制約にも配慮が必要だ。総務部門は法令改定に関する情報収集も必要だろう。例えば
- 「資本金5000万円超の会社」が「資本金5000万円以下の会社」にホームページ制作を委託する
- 「資本金3億円超の会社」が「資本金3億円以下の会社」にプログラム開発を委託する
(公正取引委員会「ポイント解説下請法」より)
[外注契約フロー : 「2.委託契約書案を提示する」画面]
<類似プロセス>
- 相見積を取り業者選定を行うワークフロー (2012-06-11)
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