外注委託の業務プロセスは「標準化」が大事

2012年7月17日
日本のソフトウェア業は「システム受託開発」を中核として発展してきた。通称「SI事業」だ。そして今、衰退期にある。

もっとも「洋服」や「住宅」などと同様、裕福なスポンサー(パトロン)が存在する限り、請負型事業は存続するだろう。しかし一方で、この後退する景気局面にあっては、業務プロセス(ワークフロー)の効率化は避けられまい。加えてサービス品質の向上も模索しなければならないだろう。

ここでは、SI会社(元請け会社)の業務委託契約(外注契約)業務に関するワークフロー・サンプルを例示したい。


[外注契約フロー]


外注契約はタイヘンだ。特に、なり立てプロマネは、知識不足と経験不足で調整の手間がかかって仕方がない。
無論、プロマネは「契約」に関してもある程度は精通している必要があり、また「組織としてのルール」も頭に入れておくべきだ。しかし、やはり『プロジェクトの円滑な遂行』や『委託先選定』で、プロマネとしての付加価値を発揮してもらいたい。

このワークフロー定義では「外注の決裁」に必要な調査や契約書類が管理系部門によって支援される。特筆すべき点は、不正や癒着を未然に防ぐ相互牽制のルールが、経理部と総務部の同時並行処理によって具現化されている所だ。そして、この業務プロセス定義に従って各案件を処理していれば、「履歴」としての価値も増すだろう。つまり過去の契約内容や、過去の与信結果をいつでも参照できるようになる。

ちなみに、日本では下請法(下請代金支払遅延等防止法)による制約にも配慮が必要だ。総務部門は法令改定に関する情報収集も必要だろう。例えば
  • 「資本金5000万円超の会社」が「資本金5000万円以下の会社」にホームページ制作を委託する
  • 「資本金3億円超の会社」が「資本金3億円以下の会社」にプログラム開発を委託する
こんなケースにおいては『受領日起算60日以内の支払』を明記した契約書にしておく必要がある。

(公正取引委員会「ポイント解説下請法」より)



[外注契約フロー : 「2.委託契約書案を提示する」画面]

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