クラウド型 Workflow と Google Calendar (OAuth 2.0 連携)

2014年1月27日
受託開発ソフト会社にせよ、BPO受託会社にせよ、お客様との約束事である『納品日』はゼッタイだ。一度の遅延が会社の信頼を大きく失墜させる。しかし、その『納品日』を十分に共有できているとは言い難い。

チームメンバーはむしろ「自分の処理」についての締切を認識し続ける。つまり「全工程」の締切である『納品日』については認識する機会が少ないのだ。≪ワークフローシステム≫の画面を見ていても、各工程担当者にとって「自分が引き受けた処理」についての締切(処理締切)は分かりやすいが、チーム全体として大切なハズの「全体納期」は認識しづらい。

ましてや…「今月末は納品日が集中しているゾ」と言った"案件横断的な情報"は、把握できるハズもない。

以下のワークフローでは「納品日データ」が≪カレンダーシステム≫と同期される仕組みが用意されている。具体的には「受注情報」の中の「納品日データ」が、OAuth (オーオース) と言うセキュア通信を使って Google Calendar に自動的に書き込まれる。カレンダーを見れば、いつでも「納品日の分布」を全体俯瞰する事ができる。これはチームメンバだけでなく、取締役や監査役にとっても非常に重要な情報源となる。

[受託~納品フロー]

[受託~納品フロー:「2.納期等確認」画面]

[データ項目一覧画面]

クラウド型ワークフローである『Questetra BPM Suite』のマッシュアップ機能が強化された。ややテクニカルな話になるが「OAuth 2.0 クライアント機能」が標準装備され、より多くの他システムとセキュアな通信ができるようになった。この例は Google Calendar 等に対してセキュアなデータ送信を行う例とも言える。

参考)従来もユーザ自身が都度承認する形で Google Calendar 側に電送する事は可能だったが、今回のバージョンアップではその送信処理を自動化できる様になった訳だ。
クエステトラ: クラウド型ワークフロー、マッシュアップ機能を強化 (2014-01-20)


自動通信の大まかな設定手順は以下の通りとなる。詳細な設定については、下にある雛形アーカイブをダウンロードし、各設定項目を確認して欲しい。なお連携設定を行ったユーザがデータオーナーになる点に注意が必要だ。(OAuth 2.0 の設定は「プログラミング知識不要」ではあるが「システム連携知識」が要求される)

1) 自動接続の受け入れ設定(Google側)
1-1. 連携設定ユーザが「Googleコンソール」にアクセス
https://cloud.google.com/console/project
1-2. [Credential](証明書)メニューに移動し「CLIENT ID」を作成
『Application type』は「Web application」を選択
『Authorized Javascript origins』は削除
『Authorized redirect URI』に「https://●●●●.questetra.net/●●●●/PMM/ProcessModel/OAuth2/callback」を入力(←自動送信アイコン内でも確認可能)
1-3. 『Client ID』と『Client secret』を取得

2) 自動発信の設定(Questetra側)
2-1. プロセスモデル(業務プロセス定義)を作成
プロセス図内に自動送信アイコン『メッセージ送信中間イベント(HTTP)』を配置
カレンダーに書き込む文字列(quickAddText)を生成する『サービスタスク』を直前に配置
※ 雛形アーカイブをインポートすると簡単に試せます
2-2. 日付型のデータ項目、文字列型のデータ項目を作成
※ Google カレンダーに書き込まれる「日付」と「タイトル」のためのデータ
2-3. 自動送信文字列の生成
送信用の文字列型データに「タイトル 日付」をセット
2-4. 自動送信アイコンの[OAuth 2.0 設定]に証明書を登録
『Client ID』と『Client secret』をコピー
『Scope』に『https://www.googleapis.com/auth/calendar』を入力
「トークン取得」にて通信の許諾
2-5. 自動送信アイコンの「通信設定」にて送信先を設定
『アクセスURL』に『https://www.googleapis.com/calendar/v3/calendars/●カレンダーID●/events/quickAdd』を入力(MethodはPOST)
(カレンダーIDの例: questetra.com_xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx@resource.calendar.google.com
『送信パラメータ』に『text』と『quickAddText』(カレンダーに書き込む文字列)の設定

なお、ここで紹介した「カレンダー予定」(Events)の追加 API 『quickAdd』は、数多くある OAuth 2.0 APIの中でも最もシンプルな構造のAPIだ。もし詳細仕様を確認したい場合には以下の URL を参考にして欲しい。
参考)「Google Calendar API v3
参考)「Google Calendar API v3 - Events: quickAdd


[ダウンロード]
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