クレーム管理はクラウドで

2011年3月31日
社外からのクレームに対して、何時間で対応できているか?
クレーム対応の業務プロセスを、どの様に設計すべきかは会社によって異なる。少なくとも回答品質と回答時間は反比例する。クイックレスポンス・顧客満足度向上・コンシェルジュサービスなど様々な思想があるが、その設計は決して容易ではない。BPMコンサルタントの腕の見せ所だ。

ただ明確に断言できる事として、「現状を記録する事」あるいは「現状何時間で対応できているかを把握する事」は極めて重要である。把握できなければカイゼンしようがない。以下のワークフロー定義で言えば、『Webフォーム』でクレームが入力されてから『自動回答メール』が送信されるまでの時間を把握したい。

<各タスク名>
1.内容確認/自身回答/担当者指名、2.回答、3.承認/微修正/差戻、4.差戻対応


[クレーム対応-回答記録:「1.内容確認/自身回答/担当者指名」画面]



このクレーム処理フローでは、回答に正確さを帰するため『リーダ承認タスク(3.承認/微修正/差戻)』が入る。カスタマーサービスのスタッフが10人程度ならば、リーダ権限は1人でも十分かもしれない。ただリーダ不在による回答遅延を発生させない様に2名体制が良いだろう。

なお電話で回答を行う場合、電話・メールの両方で回答を行う場合も、「クレーム内容」や「回答文」の記録意義は大きい。電話回答の記録を兼ねるなら、以下の様なワークフロー定義になる。


<各タスク名>
1.内容確認/自身回答/担当者指名、2.回答、3.承認/微修正/差戻、4.差戻対応、5.電話回答





Webフォームの入力データをワークフローに引き渡す設定

1. [データ受信側の設定] 外部起動できるワークフローを作成する
「メッセージ開始イベント」のあるプロセスモデルを作成する。
アクティベート後に、『バージョン詳細』から「外部システム連携用のURL」を確認する。

例)
https://s.questetra.net/XXXXXXXX/System/Event/MessageStart/start?processModelInfoId=ZZ&nodeNumber=WW&key=YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
  • (参照)マニュアルパラメータ定義方法
  • (注1)「XXXXXXXX」と「YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY」はIDとパスワードみたいなモノなので、各自で置き換え。(公開しちゃダメ)
  • (注2)「ZZ」と「WW」は利用環境によって数字が異なる。
今回は data[1] (問合元メール)、data[2] (問合元電話)、data[3] (問合内容)の3要素が入力値。

2. [データ送信側の設定] Google Docs で「フォーム」を作成する
Google Docs にログインし『新規作成>フォーム』で新規ファイルを作成する。
(サイトデザインも選べる)
  • ファイル名:「クレーム対応」
  • データ項目:「問合元メール」「問合元電話」「問合内容」の3つを作成

するとA列に「問合元メール」、B列に「問合元電話」、C列に「問合内容」となるスプレッドシートが出来上がる。

3. [データ送信側の設定] 「フォーム」に入力された内容が送出されるスクリプトを書く
ファイルを開いた状態から「ツール>スクリプト>スクリプトエディタ」を選択しスクリプトを作成する。
function myFunction() {
}
とある記載を、(極力何も考えず?)、以下の内容に書き変えて保存する。
(XXXXXXXX、YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY、ZZ、WWは各自で置き換えが必要です)
(日本以外の方はJSTも置き換えが必要です)
function startWorkflow(e) {
var longurl = "https://s.questetra.net/XXXXXXXX/System/Event/MessageStart/start";
var payload = "processModelInfoId=ZZ&nodeNumber=WW&key=YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY";
payload += '&data[1].input=' + encodeURIComponent(e.values[1]);
payload += '&data[2].input=' + encodeURIComponent(e.values[2]);
payload += '&data[3].input=' + encodeURIComponent(e.values[3]);
var params = {
method: 'post',
payload: payload
};
UrlFetchApp.fetch(longurl, params);
}

4. [データ送信側の設定] 「フォーム」入力時に作成したスクリプトが起動する設定にする
スクリプトエディタを開いた状態で「トリガー>Current Scripts Triggers」を選択する。
スクリプト「startWorkflow」が「From spreadsheet」「On form submit」を選ぶ。


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