BPO とは何か? (Business Process Outsourcing)

日本で BPO と言えば「顧客対応」と「受注管理」をイメージする人が多いだろう。 BPO 業界に居るビジネスパーソンであれば、
  • 「顧客対応」⇒『コンタクトセンター』
  • 「受注管理」⇒『フルフィルメント』
という言葉の方が馴染み深いかも知れない。このセグメントだけでも、いずれも3000~5000億円程度の市場規模にまで成長している。

ただ、この数字、、、日本の経済規模から見れば、まだまだ小さい数字だろう。平たく言えば、日本の企業は「アウトソースに対して消極的」という実態を表す数字だと思う。つまり、委託元の企業はアウトソース先の企業に対して
  • ギフト包装、キチンと処理してくれているだろうか?
  • あの100件受注、今どれくらいの進捗度なんだろうか?
と言った不安でイッパイなのだ。


以下は、通販事業者が物流事業者に対してアウトソースする「ピッキング&発送業務」のワークフローだ。通販事業者は配送先データと配送商品データを流し、物流事業者はその出荷指示にあわせてピッキングと梱包を行う。なお、この両社の関係において「消費者からの受注処理」や「消費者への代金請求」などの業務はアウトソースされていない。


[ピッキング&発送業務]

BPO とは何か? (Business Process Outsourcing)

基本的には、いわゆる間接業務を「外部に委託する事」だ。あるいは、ビジネス会話においては、「委託を受けて代行する受託サービス」を指す場合も多い。何にせよ、総務・人事・経理・福利厚生・電話対応などを、委託会社が受託会社に委託する。そこで委託される業務は直接的に利益を生み出さない業務とは言うものの、必要不可欠な業務だ。

日本における BPO は「顧客対応」と「受注管理」と「ICTシステム運用管理」の3つが3大業務となっている。

#「ICTシステム運用管理」は BPO の定義に含めない統計もある。

以下のワークフローは、「ICTシステムの運用管理」において最もコストのかかる「ウィルス対策業務」だ。特筆すべきは、社員の利便性を担保するため、情報端末として私物利用を認めている点。いわゆる「BYOD」(Bring your own device)体制で、情報流出リスクを踏まえてもなお、本業における業務改善(品質/納期/コスト)に資すると判断している会社のケースだ。

(もっとも、今どき「いつでもメール確認」は多くの会社で実現されている。ヘンに禁止する事によって「メールの転送」や「紙の持ち出し」などの別リスクを高めてしまう。そう言う意味では、わざわざ「特筆」しないほうが良いのかも知れない)

この委託業務では、委託側と受託側の双方が協力し、全体コストを下げる工夫をしている。

具体的には、あらかじめ利用登録されている端末について、各利用者自身が能動的に「セキュリティ対策状況」を報告する。たとえば、ウィルススキャン履歴の画面キャプチャを添付したり、利活用上の不便や悩みについて記載したりする。受託側は、全社員の報告について概要をチェックするとともに、必要があれば個別に調査や対応を行う。実に"スマート"だ。

[端末セキュリティ報告フロー]

ヒトの手足の「とある動作」で、特定の業務フローが始まる。。。
  • 大将が進軍の合図をすれば(軍配を返せば)、作戦本部に報告が…
  • 窓口職員が両手を挙げて、しばらく静止すれば、銀行の防犯体制が…
  • タクシー運転手が急ハンドルを切ったら、自動通知が事故対応チームに…
えっ。。。

まぁ、そもそも「人間の動作」に始まる業務、などと言うものはそれほど多くない。(頑張って考えても、何故かブッソウな例ばかりが思い浮かぶ)。しかし、もし今後「Wearable なセンサー」が安価になって行けば、やはり「簡単な入力デバイス」としての利活用方法が考えられるようになるだろう。

例えば、オモチャとして発売されている Moff は、1つ5000円程度の「入力デバイス」だ。

コレを使えば、PCキーボードやスマホで入力できない様なシゴトをしているヒトも、情報システムに対して信号を送る事ができる。あるいは逆に、自動検知しづらい事象を、情報システムが検知する事ができる様になるかも知れない。努力むなしく「半端な妄想」で申し訳ないが、
  • スーパーのレジ担当が「混雑し始めた」と思ったら足をトントンさせ、マネージャは状況に応じた指示を行う
  • 入院患者がベッドから移動すれば、担当看護師に通知が届き、看護師は担当医への報告を行う
などの業務課題解決(ソリューション)も考えられる。

以下は、「動作センサー」からの通知を(スマホアプリ経由で)受信し、その通知によって業務を開始させる業務プロセス例だ。もちろん下流工程は、様々な応用が考えられる。

[センサー開始業務]

立替金の精算フローに「不正」は無いか?

確かに「人事ローテーションを行う」や「監査体制を強化する」など、別部門をまきこんだ内部統制も重要だ。しかし、基本的には「日常的にコツコツと自分達の業務を改善し続ける事」こそが、自分達の存在価値を向上させる。

本稿では、自分達自身でリスク発生確率を下げることを考えたい。


そもそも「リスクの発生確率を下げる活動」は「リスクを想定する活動」に始まる。まずは、立替金精算で想定される「不正」を列挙してみよう。

[Create] 不正なデータが挿入される
  • パソコンで架空領収書を自作した!
  • なじみ店に領収書を作ってもらった!
  • 立替支払の事実はあるが、その後、返品や転売を行った!!

[Update] 不正なデータに書き換えられる
  • 領収書の手書き金額部分を修正した!
  • 複数の領収書を合算する際に計算ミスした!
  • 領収書記載の金額のより大きな数字を申請データに入力した!!

[Delete] 正常なデータが消される
  • 申請した気になっていた!
  • 経理部門で証憑をロストした!
  • 上司が部下の申請を故意にモミ消した!!

実際に、立替金申請の様な「身近なワークフロー」で実践してみると実感できるが、『リスクの想定』自体はそれほど難しい話ではない。日頃その業務フローに関わっている人間なら、5個・10個のリスクを列挙する事など簡単だ。

だが一方、『リスク・コントロール』となれば、少々ハードルが上がる。(基本的には、業務プロセスの設計事例でコツコツ学習するしかない)

以下のワークフローは『相互牽制』によるリスク低減が図られている。1つ目の大きな工夫は「発生時申請」だ。月末の一括申請ではなく立て替えが発生する度に申請されるため、関係者の記憶が新しい内にチェックできる。2つ目の大きな工夫は「スキャナ保存」だ。紙証憑である領収書のデジタル画像が添付されるので、多くの関係者による同時チェックが可能となる。

[立替金精算プロセス-発生時申請]
日本の企業では
  • [社員] 紙の領収書を本社経理部に届けるメンドウ
  • [経理] 集められた領収書をバインダーに綴じる(ノートに貼る)メンドウ
そんな「メンドウ」に耐え、毎年毎年バインダーの数を増やしていっている。本棚に眠るバインダー達は、その後「7年間」の眠りにつく。社内の誰に見られるでもない。

しかし2014年秋、そんな不条理も改善される見込みとなった。つまり日本の「法律」もいよいよ改正され『スキャナ保存』が認められる様になるのだ。早速にも、受領した領収書の『スキャナ保存』について準備したい。(ターゲットは2015年10月か?)

…と言う話を、前回投稿にて行った。→ 領収書は『スキャナ保存』のススメ (2014-01-19)

さて、この「紙の領収書のデジタル化」だが、
  • 組織人員の規模
  • 発生する領収書の枚数
  • 発生する領収書の形状や種類
  • 拠点の数
  • スキャナの台数
  • スキャン操作者の想定
などなど、様々な条件によって(つまり会社によって)「あるべき業務プロセス」は異なる。

以下は、申請者自身が領収書をスキャンする前提に立った「立替金精算プロセス」(ワークフロー)だ。全てがオンライン&デジタルで完結しており、テレワーカ(在宅勤務者)が多く在籍する企業でもスグに利用できる。

[立替金精算プロセス]

スキャナ活用で「ペーパレス」を推進!

社内の稟議書や申請書のペーパレスならそれほど難しくないが、取引先から受け取った書類の電子化(ペーパレス)には法律の壁がある。

しかし2014年秋、日本の『電子帳簿保存法』(※)も大幅に改正される見込みとなった。まさに今、政府内/国会で検討されている最中であり、最新動向については『スキャナ保存 制度 見直し』あたりのキーワードで検索して頂きたいところだが、2015年1月時点での方向性は以下の様になっている。注目すべきは、2015年中にも「3万円以上の契約書・領収書は紙のまま保存!」の制限が撤廃される点だ。
  • 「紙保存」じゃないとダメって言ってた重要書類も『スキャナ保存』でOKデス
  • 「電子署名」についても、もう要らないデス(タイムスタンプと入力者IDは必要)
  • 「税務署への事前申請」についても、もう要らないデス
※ 正式名称: 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律 (1998-2007)

日本経済新聞(2014年11月5日)
政府は税務調査の証拠となる領収書や契約書の原本を原則7年間保管するよう企業に義務付けた規制を2015年にも緩める方針だ。3万円以上の場合に紙のまま保管するよう求めていたが、スキャナーで読み取って画像データを保存すれば原本を捨てられるようにする。米国や韓国は税務関連の書類の電子保存を広く認めており「岩盤規制」の撤廃にようやく踏み出す。... 領収書や契約書を受け取ってから速やかにスキャナーにかけることや読み取った日時がわかるように記録することなども求める。画像データは現在の紙の領収書などと同様に7年間の保存を義務付ける。

▽最新動向
参考)自民党・公明党による「平成27年度 税制改正大綱」 (2014-12-30) の『六.納税環境整備』(p113)にある『3.税務関係書類に係るスキャナ保存制度の見直し』(p115)


では、仕入部門が調達時に交わした「契約書」や、営業マンが持って帰って来た「領収書」を、全てスキャナでパソコンに取り込んでしまえば良いのだろうか?

話はそこまで簡単な話ではない。政府与党の『税制改正大綱』によれば、「内部統制を担保するために、相互けん制、定期的なチェック及び再発防止策を社内規程等において整備するとともに、これに基づいて事務処理を実施している事」が要件となる見込みだ。これは「適正事務処理要件」と言われるのだが、要するに『適正に事務処理される仕組み』が構築されていなければならない。

以下の「経費申請」は、支払証憑(※)の電子化を含むワークフローだ。スキャナの「Scan to Email 機能」を使って書類画像を取り込むところから始める事も可能となっている。(「売上」に分類される取引書類はまた別の機会で…)

※証憑(しょうひょう):取引の成立を立証する書類

[経費申請]

セールス活動の「標準化」は、ムツカシイ。コンサルティングを伴う様なケースは、本当にムツカシイ。

実際、ベテラン営業マン達は「自分なりのヤリカタ」を変えない。変更するにしても、自分なりの経験をベースにアレコレ思考した上でのみ変える。つまるところ、、、
  • A. 「他人のヤリカタ」を学ぶ事に興味が無い。
  • B. 「自分のヤリカタ」を他人に教える事にも興味が無い。
しかし、、、組織視点に立てば、ベテラン達の我流だけに依存する訳にも行かない。組織力を高めるべく若手達にもノウハウを伝承してもらわないと困る。つまり、ベテラン達には「ヤリカタ」を広めてもらう必要がある。

以下の業務プロセス定義は、とあるトップ営業マンの提案手順(ワークフロー)をベースに標準化を図った「提案書の作成プロセス」だ。例外工程はあえて記述していない。

この「提案書の作成プロセス」は、顧客の課題解決を重視するスキルと経験を要する営業スタイルと言える。つまり「自社サービスの説明」よりも、「見込顧客自身がどの様に解決すべきかの説明」に重点を置くセールス手法だ。当然ながら、トップ営業マン自身はこの手順(ワークフロー)に従う事に抵抗は無い。そして、もし1人でも多くの営業マンが、このワークフローを使って提案活動を行う様になれば、様々な業務改善が実現するだろう。
  • みんなの作った『提案書』が蓄積される ⇒ 『提案書』の再利用性が高まる
  • 商談案件の進捗が可視化される ⇒ チームとして提案に取り組めるようになる
  • 商談期間も自動記録される ⇒ 提案サイクルをみんなが分析できるようになる

[提案書の提出業務]