アウトソース進捗の可視化! (フルフィルメント BPO の例)

2015年2月23日
BPO とは何か? (Business Process Outsourcing)

日本で BPO と言えば「顧客対応」と「受注管理」をイメージする人が多いだろう。 BPO 業界に居るビジネスパーソンであれば、
  • 「顧客対応」⇒『コンタクトセンター』
  • 「受注管理」⇒『フルフィルメント』
という言葉の方が馴染み深いかも知れない。このセグメントだけでも、いずれも3000~5000億円程度の市場規模にまで成長している。

ただ、この数字、、、日本の経済規模から見れば、まだまだ小さい数字だろう。平たく言えば、日本の企業は「アウトソースに対して消極的」という実態を表す数字だと思う。つまり、委託元の企業はアウトソース先の企業に対して
  • ギフト包装、キチンと処理してくれているだろうか?
  • あの100件受注、今どれくらいの進捗度なんだろうか?
と言った不安でイッパイなのだ。


以下は、通販事業者が物流事業者に対してアウトソースする「ピッキング&発送業務」のワークフローだ。通販事業者は配送先データと配送商品データを流し、物流事業者はその出荷指示にあわせてピッキングと梱包を行う。なお、この両社の関係において「消費者からの受注処理」や「消費者への代金請求」などの業務はアウトソースされていない。


[ピッキング&発送業務]


プロセス図を見て頂ければ一目瞭然だが、物流会社に委託されている業務は『(4)梱包』と『(5)検針検査』だ。アパレル品や靴カバンなどを梱包する場合に、梱包後にX線検査を行い梱包箱に「X線検査済」のシールを貼るという分岐になっている。

物流会社の担当者は、梱包タスク(検査タスク)を一つ一つ確認し、作業完了時に「完了ボタン」をクリックするだけでよい。通販会社と物流会社の権限者は、
  • 誰が、いつ、『(4)梱包』したのか
  • 誰が、いつ、『(5)検針検査』したのか、
について、リアルタイムで把握できる様になる。

なお、この他にも「入金完了メールの自動送信」「納品書の自動生成」「発送完了メールの自動送信」などの工夫もある。誰に送るべきか、あるべき順序は、、、など、現場視点でもっと改善できるような気がする。また更に加えて、「配送日指定」の注文時にあえてタイマー滞留させる、納品書のプリントアウトまで自動化させる、などの更に違った改善余地があるかも知れない。いずれにせよ、アウトソース契約毎に「最適な業務プロセス」は、運用後も積極的に議論されるべきなのだろう。

PS: さて、、、BPO受託事業を行う物流会社の視点だけで考えてみると、当然、複数の通販会社からの依頼をこのワークフローに流したくなる。しかし、そこにはデータ閲覧権限上の「問題」が出てくる可能性がある。。。。(次号に続く

[ピッキング&発送業務:「1.出荷指示入力」画面]

[オペレーティング画面:タスク一覧画面]

<データ項目一覧画面>


[雛形ダウンロード (無料)]
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[英文記事(English Entry)]

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