委託会社と受託会社のワークフロー基盤を連動させる

2015年3月2日
「ファション通販サイト」と呼ばれるネットサービスは、ホントに沢山ある。

「普段着」「通勤服」「下着」といった『アパレル商品』だけでなく、「靴」や「アクセサリ」あるいは「雑貨」まで、トータルにコーディネイトしてくれるサイトもある。 あるいは「マタニティGoods」や「Disneyキャラクター」といった特別な切り口でまとめてくれるサイトもある。そして、それでいてリアル店舗より安い。(価格競争バンザイ←消費者視点)

しかし、一方で『納期』が弱点になるケースも少なくない。

きめ細やかなサービスのために「自前の倉庫」で「自前の梱包体制」が必要になってしまうケースもあるのだろう。インポート雑貨などコダワリの商品はどうしても小ロットになってしまうのだろう。しかし、Amazon や Askul に慣れ切ってしまった体には、その「3・4日」が待てないのだ。(消費者コワイ←ネットショップ視点)

以下のワークフローは、いわゆる「通販フルフィルメントサービス」の業務プロセス例だ。

BPO 受託会社が、通販事業者(ネットショップ様)に対して通販物流アウトソーシング(バックヤード業務のアウトソース)を提案する際、上述の消費者視点を踏まえた「アウトソースすべき商品」(一部または全部)を提案するのだ。もちろん、ワークフロー・システムの運用をセット提案し、受託作業の全進捗がいつでもリアルタイムに確認してもらえる点を訴求する。「検針サービス」といったサービス・オプションの説明も簡単になる。

[業務委託側:商品発送依頼]

[BPO受託側:商品発送作業]



もし、、、その提案が BPO 受託会社にとって大口の取引で有れば、前回記事にあるような「専用プロセス」で、委託側と受託側で共通の可視化基盤を運用すべきだ。しかし、小口取引を展開したい場合に、同じワークフロー基盤にある同じワークフローを「共用」させると「委託会社同士で委託データが閲覧できてしまう」等の不都合が発生する。

ここで紹介した「受託側のワークフロー」は、複数の「委託元のワークフロー」と進捗情報を通信しあう。

それぞれのワークフロー(業務プロセス)は完全に独立しているため、データ閲覧権限をそれぞれに設定できる。また、委託元も受託側も相手方に気兼ねすることなく自社の業務プロセスをカイゼンし続けられる。そして何より、不必要な個人情報を受け渡しする必要がなくなる。

なお、ここでは BPO という委託関係を想定しているが、、、そもそも各企業が持つ業務システム基盤(ワークフロー基盤)同士がもっと通信しあえば、より効率良いサプライチェーンが実現できる。そう、、、「紙の発注書」をFAXしたり郵送したりしていた時代は、もう終ろうとしている。


PS: 単にコンピュータ用語的な余談だが、、、1つの中核システムが全体を制御する様子は「オーケストレーション」と呼ばれる(打楽器/管楽器/弦楽器が指揮されるオーケストラと同じ語源)。一方で、それらの主従関係が明確に決まっていない様子(バレエ団の踊り)は「コレオグラフィ」と呼ばれる。

[業務委託側:商品発送依頼:「1.出荷指示入力」画面]

<BPO受託側:商品発送作業:データ項目一覧画面>


[雛形ダウンロード (無料)]
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[英文記事(English Entry)]

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