過去の人気記事から、「処理担当者の設定方法」について学びます。
「上司」の指定方法については、いくつかの方法があり、組織構造との関係もあるため、ワークフロー設定の中では難易度が高めの内容となります。まずはいろいろな考え方を知っておくのが良いでしょう。社長1人、部長(役員)2人、マネージャ4人、メンバ12人。仮に、この「メンバ12人」の内の2人が『部長直下』に配属されているとします。具体的に例示すれば、
- 2人の部長が主管する部に直接所属している人が『2人×2』
- 4人のマネージャが主管する「チーム」に所属している人が『2人×4』
さて、こう言った「深さにバラツキがある組織」の場合、稟議承認フローのエスカレーションは、どの様な業務フロー図で表記すべきでしょうか? 国際標準記法 BPMN に従った書き方を考えてみましょう。議論が分かれる部分は「原則として、マネージャー承認を経て、部長が決裁する」と言う社内ルールを、どの様に描くべきか、という点です。すなわち、この組織の『2人×2』にとっては「マネージャ」が居ません。
[稟議フロー(絶対的表記1)]
最もシンプルな書き方は、まず「部長がマネージャを兼務している」と考えるやり方です。
この場合、全ての起案は「1.申請」→「2.マネージャによる承認」→「3.部長による決裁」の流れを踏襲します。大した手間では無いものの、この BPMN をそのままシステム化すると、部長はタスク「2.承認」と「3.決裁」を続けて処理しなければならない仕様となります。
ちなみに、この考え方を準用すれば、「マネージャが起案したいケース」もシンプルに考えられます。すなわち、マネージャは「1.メンバとして申請」し、自分自身が「2.マネージャとして承認」し、部長に「3.決裁」をもらえば良いです。
なお、「営業部」が『組織』なのに対して、「マネージャ」は『組織』ではありません。すなわち「マネージャ」は『ロール』で定義されるべき集団です。この業務フロー図で言えば、全ての構成員は『自分の所属する組織』もしくは『上位組織』に居る「マネージャ」の承認を得ることになります。
次週は、相対的な関係を使った業務フロー図の書き方を紹介します。「続けて処理」を無くし、ステップ数を減らす事ができます。
<データ項目一覧画面>
[雛形ダウンロード (無料)]
- 業務テンプレート : 稟議フロー(絶対的表記1)
<類似プロセス>
- 稟議ワークフローに大事な「組織」と「ロール」 (2012-01-23)
- 稟議書ワークフロー、「代理決裁」の書き方 (2013-02-12)
- 第471話:オレの申請に「決裁」は要らぬ! (by 部長) (2016-02-22)
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