外部トリガーによるワークフロー開始
前回の記事『第516話:ワークフローを「メール」で起動しておく方法』では、「メール着信」をトリガーとするワークフローについて書きました。きっと『メール以外にも「ワークフローを開始する方法」はありますか?』という質問をいただくことになるでしょう。(まだ頂いておりませんが…)はい、あります!
クラウド型ワークフロー『Questetra BPM Suite』の場合、提供されている API は以下のような体系になっています。この中にある『B1.プロセスの開始』は HTTP/WebForm/Email のすべてに対応しています。つまり「メール着信」に限らず、「Webフォーム入力」や「HTTPリクエストの受信」をトリガーにしたワークフローを設計することが可能です。
- A. ワークフローシステムが常に提供する『ソフト開発 API』 (OAuth2/Basic)
- A1. ユーザの操作 (ワークフローAPIs)
- A2. システム管理者の操作 (システム設定APIs)
- B. 各業務アプリが提供する『プロセスモデル接続 API』
- B1. プロセスの開始 (メッセージ開始イベント) (HTTP/WebForm/Email)
- B2. プロセス途中での待ち受け (メッセージ受信中間イベント) (HTTP)
- B3. プロセス途中で外部発信 (メッセージ送信中間イベント/自動工程) (HTTP/Email)
ワークフローを開始させるワークフロー
少し「応用編」になるのですが、、、『B3. プロセス途中で外部発信』という機能もあるので、- Xプロセスで「HTTPリクエスト」が『送信』されるように設定し、、
- Yプロセスが「HTTPリクエスト」の『受信』で開始されるように設定しておけば、
- “納品プロセス” から “請求プロセス” が自動開始されるように設定する (M411)
- “次回の請求” を忘れないように、次回処理分が自動開始されるように設定する (M412)
- フロー途中でサブプロセスを呼び出し、その処理結果を待つように設定する (M413)
- 複数の業務プロセスに流れたデータを集約するための特別な業務プロセスを用意する (M414)
さて、、、今回の記事では更に踏み込んで、CSVデータを使った「複数案件の一括開始」について考えてみたいと思います。
[電話アンケート・プロセスの一括呼び出し(親プロセス)]
[電話アンケート・プロセス(子プロセス)]
[電話アンケート・プロセスの一括呼び出し(親プロセス):「1.一括起動用データの投入」画面]
引き受け待ちなのか、処理担当者が決まっているのか?
前回記事『メールで起動しておく方法』と違い、自動的に誰かに割り当てる工程はありません。つまり、A社・B社・C社…に対して電話アンケートを行うという仕事が、カスタマーサービス部のメンバー全員の[引き受け待ち]にずらりと並ぶことになります。すなわち、カスターマーサービスのメンバーは、誰も対応していない案件([引き受け待ち]に残っている案件)について[引き受け]を行い、電話アンケートを実施したうえでアンケート結果を入力していくことになります。
[電話アンケート・プロセス(子プロセス):「1.電話して結果を記入する」画面]
マスターを使った一括処理
今回は『顧客リスト』による一括開始を考え、「電話アンケート」という業務を例示しました。しかし、アンケート系以外にも、「更新情報の提出」「サービスの提供」「制度改定の説明」といった「一括開始業務」が考えられます。また社内には『顧客リスト』以外にも、『社員マスター』や『製品マスター』や『在庫マスター』あるいは『来場者リスト』や『店舗リスト』や『業務リスト』といったデータもあり、それぞれ「様々な業務の一括開始」に使われる可能性があります。
もちろん、外部システムから『B1.プロセスの開始』(HTTP/WebForm/Email )を呼び出す様な仕組みもスマートで良いのですが、、、今回紹介したような「親プロセスによる一括開始」というカンタンな方法についても、頭の中に入れておきたい所です。
<データ設定画面(リモート側)>
<一括起動の設定画面(ローカル側)>
[雛形ダウンロード (無料)]
- 業務テンプレート:電話アンケート・プロセスの一括呼び出し(親プロセス)
- 業務テンプレート:電話アンケート・プロセス(子プロセス)
- アドオンXML: コネクタ(TSV一括開始)
- 第460話:顧客マスタを「法人番号システム Web-API」でクリーニング (2015-12-07)
- 第483話:kintone 上のマスター情報と日次同期する (2016-05-16)
- 第488話:クラウド会計と連携させる(その3) (2016-06-20)
- M411 プロセス接続: “納品プロセス” から “請求プロセス” が自動開始されるように設定する (使い方)
- M221 自動開始: 特定URIにHTTPリクエストがあった時に自動的に開始されるように設定する (使い方)
- M225 自動イベント: 業務データを組み込んだHTTPリクエストが、自動的に送信されるように設定する (使い方)
- M415 自動工程: 業務プロセス定義で利用可能な自動工程を追加する (使い方)
- (使い方)
[英文記事 (English Entry) ]
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