間違いではない。うん、正しい。『BPM製品』は『ワークフロー製品』でもある。(一方で「『ワークフロー製品』は『BPM製品』である」…とは言い難い)
IT調査会社Gartnerが「BPM製品の10の評価ポイント」において示している様に、BPM製品の中核は「ワークフローエンジン(プロセス処理および状態監視エンジン)」である。すなわちBPM製品はワークフロー機能を必ず有している。
- ワークフローエンジン(プロセス処理および状態監視エンジン)
- モデル活用型のプロセスモデル構築機能
- 文書ファイルやケースファイルの関連付け機能
- 組織情報やユーザ情報の関連付け機能
- 他システム接続機能
- 工程監視機能/イベント検知機能
- シミュレーション機能/最適化機能
- ルール統括機構
- システム管理/システム統制
- プロセスモデル定義の構成管理機能
[広報制作フロー]
[広報制作フロー2]
上記の業務フロー図は少し複雑だ。そして、この複雑さへの対応可否は、ワークフローエンジンの性能に大きく依存する。(ちなみに2つの図は全く同じ定義)
このワークフロー図には、いわゆる「ループ」がある。この例で言えば『1ステップ以上前への差し戻し』と言っても良い。いずれにせよ、これが「ワークフロー製品泣かせ」なのだ。もっともそのような業務をワークフロー化する予定が無い組織にとっては無用の機能なので、「ループ」に対応している事が必ずしも「必要機能」ではない。ただ、少し眺めていれば他の業務も思い浮かんでくるが、それほど珍しいパターンではない。同じような話として「単一選択分岐」や「同時並行分割」などがしばしば議論される。
ちなみに、より深く学習したい方には、業務フロー図のパターン分類研究である『ワークフローパターン』をオススメしたい。そこには全部で43パターンの業務の流れ図が例示されている。
簡単に例示しておくと、その1番目には、【シーケンスパターン】(連鎖パターン)と呼ばれ、「〔タスクA〕→〔タスクB〕→〔タスクC〕」と遷移する非常にシンプルな形状が示されている。また、2番目には、【パラレルスプリットパターン】(並行処理パターン)と呼ばれ、〔タスクA〕の完了後に〔タスクB〕と〔タスクC〕が同時に着手される形状が示されている。
そして上記のワークフロー定義は、第10番目の【任意複数サイクルパターン】(Arbitrary Cycles)の例にあたる。
PS: 実のところ、『BPM製品』でも【任意複数サイクルパターン】を苦手とする製品は少なくない。歴史的経緯については他稿にゆずるが、「BPELの負の遺産」とも言える。このテーマは、非構造ループ(Unstructured Loop)とも呼ばれるが、(ミスや失敗の多い)人間が行う業務において「ループ」は決して珍しい事ではない。図表中心主義のBPMN設計は、人間手順の考察に最適であることは言うまでもないが、ワークフローエンジンが「BPMNをそのまま理解するかどうか」は製品次第となっている。※ Business Process Model and Notation
[広報制作フロー:「3.完成確認」画面]
[ダウンロード]
<類似プロセス>
- トークンが無限増殖するループ構造 (2011-05-01)
- ぐるぐるループ中、毎回ダブルチェックは要らんよ (2010-11-24)
- 案件によっては同時並行処理が必要になる業務フロー (2011-04-10)
- 【ルール設定】 「差し戻し」が可能な仕事と「差し戻し」が不可能な仕事を共存させる (使い方)
- 【ルール設定】 タスク処理者自身が「フロー分岐」を選択できるように設定する (使い方)
- モデリング: 分岐条件の設定パターン (使い方:リファレンス)
- ワークフロー・エンジンの種類 (Questetra?)
0 件のコメント :
コメントを投稿