BPM製品、10の選定ポイント

2013年9月9日
『BPM製品』=『ワークフロー製品』+{便利な機能群}

間違いではない。うん、正しい。『BPM製品』は『ワークフロー製品』でもある。(一方で「『ワークフロー製品』は『BPM製品』である」…とは言い難い)
IT調査会社Gartnerが「BPM製品の10の評価ポイント」において示している様に、BPM製品の中核は「ワークフローエンジン(プロセス処理および状態監視エンジン)」である。すなわちBPM製品はワークフロー機能を必ず有している。
  1. ワークフローエンジン(プロセス処理および状態監視エンジン)
  2. モデル活用型のプロセスモデル構築機能
  3. 文書ファイルやケースファイルの関連付け機能
  4. 組織情報やユーザ情報の関連付け機能
  5. 他システム接続機能
  6. 工程監視機能/イベント検知機能
  7. シミュレーション機能/最適化機能
  8. ルール統括機構
  9. システム管理/システム統制
  10. プロセスモデル定義の構成管理機能
しかしその実、『BPM製品』と『(従来からの)ワークフロー製品』とでは、サポートする「業務フロー図の形状」に違いがある。

[広報制作フロー]



[広報制作フロー2]

上記の業務フロー図は少し複雑だ。そして、この複雑さへの対応可否は、ワークフローエンジンの性能に大きく依存する。(ちなみに2つの図は全く同じ定義)

このワークフロー図には、いわゆる「ループ」がある。この例で言えば『1ステップ以上前への差し戻し』と言っても良い。いずれにせよ、これが「ワークフロー製品泣かせ」なのだ。もっともそのような業務をワークフロー化する予定が無い組織にとっては無用の機能なので、「ループ」に対応している事が必ずしも「必要機能」ではない。ただ、少し眺めていれば他の業務も思い浮かんでくるが、それほど珍しいパターンではない。同じような話として「単一選択分岐」や「同時並行分割」などがしばしば議論される。

ちなみに、より深く学習したい方には、業務フロー図のパターン分類研究である『ワークフローパターン』をオススメしたい。そこには全部で43パターンの業務の流れ図が例示されている。
簡単に例示しておくと、その1番目には、【シーケンスパターン】(連鎖パターン)と呼ばれ、「〔タスクA〕→〔タスクB〕→〔タスクC〕」と遷移する非常にシンプルな形状が示されている。また、2番目には、【パラレルスプリットパターン】(並行処理パターン)と呼ばれ、〔タスクA〕の完了後に〔タスクB〕と〔タスクC〕が同時に着手される形状が示されている。
そして上記のワークフロー定義は、第10番目の【任意複数サイクルパターン】(Arbitrary Cycles)の例にあたる。

PS: 実のところ、『BPM製品』でも【任意複数サイクルパターン】を苦手とする製品は少なくない。歴史的経緯については他稿にゆずるが、「BPELの負の遺産」とも言える。このテーマは、非構造ループ(Unstructured Loop)とも呼ばれるが、(ミスや失敗の多い)人間が行う業務において「ループ」は決して珍しい事ではない。図表中心主義のBPMN設計は、人間手順の考察に最適であることは言うまでもないが、ワークフローエンジンが「BPMNをそのまま理解するかどうか」は製品次第となっている。※ Business Process Model and Notation

[広報制作フロー:「3.完成確認」画面]


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