アナリティクスいわく「○×工務店さんが困ってマス!?」
前々回記事と前回記事では、「先週のWebアクセス動向」が社内通知される(ほぼ無人の)ワークフローを紹介しました。この業務プロセスが運用されれば、社員は毎週月曜日の朝、「Google Analytics Reporting API」を通じて得られた最新情報について、メールで確認できるようになります。その結果、日々の「サポート業務」や「セールス業務」は、より効率良いものになるでしょう。
ただ、もう少し欲を言えば、「Analytics に無い情報」も併記しておいてもらいたいものです。つまり、
- 先週火曜日、プレスリリースを配信した
- 先週木曜日、ユーザ向けセミナーを実施した(○×工務店さんも居た!)
カレンダー情報も API 取得
以下の業務プロセス定義は、社内カレンダー『広報予定およおび出展予定』(Google Calendar)に書き込まれているイベント(先週分)が、通知メールの文頭に付加される仕組みです。これにより、通知メールを受ける社員達は、「Webアクセスに影響を及ぼしたかもしれない関連情報」についても、同時に確認することが可能となります。
[自社サイト運用状況報告プロセス3]
API 経由での情報収集
工程『Request to Calendar』は、とある Google Calendar に登録されている「イベント」を一覧取得する自動工程です。(Google Calendar API v3)<自動工程の設定項目>
- 通信認可のコンフィグ名
- 情報を抽出するカレンダーのID
- 情報を抽出する期間(開始日が格納されている日付型データの名前)
- 情報を抽出する期間(終了日が格納されている日付型データの名前)
- タイムゾーン
- 出力データを格納する文字列型データの名前
- 2017-05-03 (--:--): 憲法記念日
- 2017-05-04 (--:--): みどりの日
- 2017-05-05 (--:--): こどもの日
- 2017-07-21 (16:00): 取締役会
- 2017-07-28 (09:30): 週次報告会
つまり、案件がこの工程に到達すれば、ワークフローシステム(Questetra等)は、Calendar API v3 の『Eventsリソース』に対してセキュアリクエスト(OAuth2通信)を投げます。そして、レスポンス情報(JSONデータ)にある「start.dateTime 情報」(終日イベントの場合「start.date」)と「summary」(イベントのタイトル)の情報を抽出し、複数行文字列型データとして格納します。
※ API 利用は「プログラミング知識を要する」と思われがちですが、業務フロー図に「自動工程」を配置し、いくつか項目設定するだけで、誰でも自動システムを構築することが可能です。
「APIを活用」は「メールを活用」と同じレベルに?
この業務プロセスの API 利用は、いずれも「自社が保有しているデータ」を単純取得しているだけです(当然無料)。しかし、自社データの自動集計は、
- 「他社が保有しているデータ」を取得する
- 「自社が保有しているデータを他社に加工してもらったデータ」を取得する
折しも近年では「APIエコノミー」という言葉が聞かれるようになり、
- タクシー予約
- ホテル予約
- 代金の送金
- コミュニティー内での情報共有
- 会話文における話者感情の数値化
- 質問文に対する回答文の草稿作成
※ Questetra は様々な API をコントロールできるプラットフォームです。API 利用者に貢献します。
なお、「情報ソースの提供」や「情報加工サービスの提供」といった【API提供者】としての事業展開を考える場合であれば、より深いレベルでトレンドキャッチに時間を使わなければならないと言えます。すなわち、使ってもらいやすい API を考えるには、世界で広く使われている API の深いレベルまでチェックしておきたいところです。それは、製造業における「ケーブル規格」のようなモノなのかも知れません。(たとえば「Request Query Parameters」あるいは「Request Body Parameters」のパラメータ名など)
※ 「Events: list」のリファレンス
<自動工程の「定義ファイル」(Addon-XML)における通信部分>
// Set API Request var apiRequest = httpClient.begin(); apiRequest.queryParam( "calendarId", calendarId ); apiRequest.queryParam( "orderBy", "startTime" ); apiRequest.queryParam( "singleEvents", "true" ); apiRequest.queryParam( "timeMax", endDate + "T23:59:59" + timezone ); // for request apiRequest.queryParam( "timeMin", startDate + "T00:00:00" + timezone ); apiRequest.queryParam( "timeZone", timezone ); // Time zone for response // Set OAuth2 Access Token var token = httpClient.getOAuth2Token( oauth2 ); apiRequest.bearer( token ); // API Access var accessLog = ""; var uri = "https://www.googleapis.com/calendar/v3/calendars/calendarId/events"; var response = apiRequest.get( uri ); var statusCode = response.getStatusCode() + ""; accessLog += "---GET request--- " + statusCode + "\n"; accessLog += response.getResponseAsString() + "\n";
[自社サイト運用状況報告プロセス3:「1.報告文作成」画面]
<データ項目一覧画面>
[雛形ダウンロード (無料)]
- 業務テンプレート:自社サイト運用状況報告プロセス3
- 第513話:掲載記事の品質を担保する業務プロセス (2016-12-12)
- 第498話:自動工程におけるデータ加工、アレコレ(その5) (2016-08-29)
- ワークフローに流れる業務データ、改竄せざるを得ない時とは (2014-07-07)
- M415 自動工程: 業務プロセス定義で利用可能な自動工程を追加する (使い方)
- M416 自動工程: 業務プロセス定義で利用可能な自動工程を自作する (使い方)
- M202 業務の流れ: 処理フローを定義し、各工程の締切時刻を設定する (使い方)
- Google Analytics レポート (Addon解説)
- Google Calendar イベントリスト (Addon解説)
[英文記事 (English Entry) ]
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