第547話:月曜朝の Analytics API リクエスト(2)

2017年8月7日

人気ページのランキング

前回記事では、『Google Analytics Reporting API』との自動通信によって「週次レポート」が自動的に生成される方法を紹介しました。

ポイントは、
  • ディメンジョン: ga:hostname, ga:pagePath, ga:pageTitle
  • メトリックス(指標): ga:pageviews, ga:sessions
というルールで集計データを自動取得する自動工程(サービス工程Addon)です。

この工程では「沢山アクセスを得たWebページのリスト」が複数行テキストとしてまとめられます。もし「フィルタ」に『ga:pagePath=~/blog/』の様な設定をすれば「blog フォルダ以下のWebページ」を対象としたランキングも自動的に取得することが可能です。

これらの文章が挿入された通知メールは、マーケティング・チームにとって非常に有用な情報となるでしょう。

他にも数万パターンの集計方法

しかし Google Analytics のデータは、もっと他の角度からも集計したい所です。

前回例では、上述の「3つのディメンジョン」と「2つのメトリックス」でランキング集計されましたが、Google Analytics には他にも約260のディメンジョンと約230のメトリックスが存在しています。つまり、組み合わせを変えることによって、多種多様な集計が可能となります。

たとえば、サイトコンテンツの視点(『行動(BEHAVIOR)』)だけでなく、『ユーザー(AUDIENCE)』や『集客(ACQUISITION)』の視点で集計すれば、「どんな人がアクセスしているのか?」や「どんなサイトから誘導されてきたのか?」といった情報も抽出できるハズです。

参考: ディメンジョン名とメトリックス名

[自社サイト運用状況報告プロセス2]

「顧客の興味」を読み取る

今回紹介する業務プロセス定義では、自動工程(サービス工程Addon)が1つ追加され、2つ目の自動工程は1つ目とは違う「ディメンジョンの内容」でリストが生成されます。
  • ディメンジョン: ga:networkDomain, ga:pageTitle
  • メトリックス(指標): ga:pageviews, ga:sessions
日ごろ Analytics を利用している人なら察しが付くと思いますが、この『ga:networkDomain, ga:pageTitle』は、「どのネットワークから、どのページへのアクセスがあったか?」という切り口(集計の視点)を表現しています。

もちろん「発信元情報」はインターネットプロバイダーによって集約されてしまうので、一般家庭からのアクセスが多数を占めるようなサイトの場合ではあまり有意な情報が抽出できないかも知れません。しかし、「企業ネットワークからのアクセス」が多いサイトであれば、「どの企業がどのマニュアルページを見ているのか?」「どの企業がどの事例ページを見ているのか?」といった情報を抽出することが可能となります。

これは、サポートチームやセールスチームにとって、非常に有用な情報となるでしょう。

なお「インターネットプロバイダ経由のアクセス」をフィルタ排除するには以下のようなフィルタ設定が有効です。
  • 「(not set)」を排除する
  • 「unkonown」のネットワークを排除する
  • 「.net」のネットワークを排除する
  • 「.ne.jp」のネットワークを排除する
※ ga:networkDomain!=(not set);ga:networkDomain!~unknown|.net|.ne.jp

<受信メールのサンプル>

情報共有で生産性を高める

「最新情報が定期的に共有されること」によって生産性向上の可能性がある業務については、その「ディメンジョン」と「メトリックス(指標)」の組み合わせや「フィルタ」について積極的に考察したいところです。実際には、有用なデータが得られそうな組み合わせについて、『カスタムレポート』等でアレコレ試してみるしかないでしょう。
  • 古いブラウザでアクセスしたはどの企業か?
  • どの外部サイトの、どのリンクから流入してきたか?
  • Facebook や Twitter からは、どのページに流入しているのか?
そして、共有する最新情報のフォーマットが決まれば、それに合致する「サービス工程Addon」を入手する必要があります。

もし自社の集計方針と合致する「サービス工程Addon」が見当たらない様であれば、別途作成する必要があります。社内に JavaScript 知識のある方が居れば(既存のAddonをアレンジするなどして)内製すべきですが、もし居ない場合でもクラウドソーシングなどで依頼すれば1日程度で入手することが可能でしょう。


なお、ここで紹介した「Google Analytics API と通信するサービス工程Addon」は、その「ディメンジョン」と「メトリックス(指標)」が固定化(ハードコーディング)されています。つまり、コンフィグ設定できるのは、
  • View ID: 集計対象のアクセスログ
  • 表示件数:ランキング一覧で表示する件数
  • フィルタ: ランキング一覧表示の際のフィルタ (任意)
だけとなっています。また「汎用的なつくり」になっていないのは、それらの組み合わせによって「集計結果の表示方法」が微妙に異なるという点が主な原因となっています。

for( var i = 0; i < reportObj.reports[0].data.rows.length; i++ ){
  rankingStr += reportObj.reports[0].data.rows[i].metrics[0].values[0] + "\t";
  rankingStr += reportObj.reports[0].data.rows[i].metrics[0].values[1] + "\t";
  rankingStr += reportObj.reports[0].data.rows[i].dimensions[0]; //★区切りを無くしクリッカブルURIに★
  rankingStr += reportObj.reports[0].data.rows[i].dimensions[1] + "\t";
  rankingStr += reportObj.reports[0].data.rows[i].dimensions[2];
  rankingStr += "\n";
}

[自社サイト運用状況報告プロセス2:「1.報告文作成」画面]

<データ項目一覧画面>


[雛形ダウンロード (無料)]
<類似プロセス>
≪関連記事≫
Google Analytics レポート (Addon解説)

[英文記事 (English Entry) ]

0 件のコメント :

コメントを投稿