第541話:PayPal Invoice 連携で、ラクラク請求業務(2)

2017年6月26日

請求を自動化する

前回記事では、「PayPal Create」と「PayPal Send」という2つの自動工程を配置することで、『PayPal請求書』が自動的に送信されるワークフローを構築しました。

すなわちヒューマン工程でのチェックや承認を経た「請求データ」が自動的に PayPal 側に POST され『PayPal請求書』が生成されます。そして指定時刻になると(送信指令が届けられ)メール送信されます。何と言っても、「Addonサービス工程」だけで定義できる為、(=「スクリプト工程」が使われていない為)、プログラミング知識が無くても、自社の業務フローにあわせた「自動請求システム」を構築できるのが魅力です。

しかし「『PayPal請求書』が決済されたか確認する業務」については対象外(スコープ外)となっていました。

着金確認まで自動化する

以下の業務プロセスでは、更に「PayPal Check」という自動工程(Addonサービス工程)が追加されています。すなわちこのワークフローシステムは、送信させた『PayPal請求書』について、その決済ステータスを定期的・自動的に確認し続ける設定となっています。

具体的には、「(3.未決済滞留)」の工程にある案件が、
  • 経理担当者が案件を進めるたび
  • 12時間の滞留時間を経るたび
に自動工程「PayPal Check」に到達します。そして、セキュア通信(OAuth2通信/PayPal Invoicing API)を通じて決済状況が問い合わせられます。もし、ステータスが「決済された(PAID)」になっていれば、「(3.未決済滞留)」の工程に戻らず「決済された時刻」と「決済された金額」を格納して、全工程終了となる仕組みです。

[Paypal請求書発行プロセス-決済チェック]



日本における銀行決済の現状

しかし、よく考えれば「入金確認」は経理業務の中でも、最もノウハウが必要な業務だったのかも知れません。

特に日本における企業間取引では「銀行送金手数料が1回につき216~864円発生する」といった事情から、未だに「末締め翌月末銀行振込」といった契約条件が主流となっています。また、全ての金融機関が一つのシステム(全銀システム)を使っているため、未だに「半角カナ」という暗号文のような情報だけに頼って取引先を判別しなければなりません。
  • A. 難読な社名の取引先(カタカナ情報が漢字情報とマッチしない)
  • B. 親会社名や個人名などチガウ名義で振り込んでくる取引先
  • C. 請求件数が多く毎月合算振込になる取引先
  • D. 振込期日に対して確実に数日遅らせて入金してくる取引先
  • E. 契約を無視して振込手数料を勝手に差し引いて入金してくる取引先

オンライン確認ができるようになった今でも、、、『MoneyForward』や『Freee』といったクラウド会計とデータ連携されるようになった(ようやくなった)今でも、、、様々な着金パターンに対してスムーズな処理ができるようになるには、それなりの修練が必要です。

そして、毎月末、毎月末、日本中で膨大な事務コストが発生しています。

#流石に「月末締め翌月末発行90日サイト手形」といった前世紀の遺物のような契約条件は、ほぼ撲滅されつつあると思います。

グローバル時代の決済

もし、このワークフロー例の様に PayPal 請求書(新しい形の電子請求書)を使えば、「取引先単位」ではなく、「債権単位」(請求書単位)での管理となります。

たしかに日本におけるカード決済手数料(債権譲渡損)は「3.6%+40円」や「3.9%+40円」など、決して安いものではありません、しかし、国内取引なら5万円程度まで(決済手数料は1840円程度)、あるいは海外取引なら100万円程度まで(決済手数料は4万円程度)なら、すでに現実的に採用する価値があると言えるでしょう。何といっても「無人化」によってミスや手戻りが無くなるのは、極めて大きなメリットです。

なお、近い将来「銀行API」が現実のものとなったアカツキには、、、あるいは「WeChat Pay」などのポイント決済や「BitCoin」などの仮想通貨が利用できるようになったアカツキには、、、債権単位(請求書単位)での管理が主流になることが予想されます。そのための先行投資・学習コストと考え、PayPal Invoicing による逐次決済を部分採用するのも良いかも知れません。

#ちなみに PayPal の決済ログも『MoneyForward』や『Freee』といったクラウド会計への連携も可能となっています。(ようやく)

『マネーフォワード、子会社「MF KESSAI」を設立 手間もリスクもゼロ 、企業間後払い決済サービスを提供開始』(料率:1.5%~3.5%) (2017-06-20) といった最新動向も要チェックです。

[Paypal請求書発行プロセス-決済チェック:「(3.未決済滞留)」画面]

<データ項目一覧画面>



[雛形ダウンロード (無料)]
<類似プロセス>
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[英文記事 (English Entry) ]

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