第540話:PayPal Invoice 連携で、ラクラク請求業務(1)

2017年6月19日

決済に直結する請求書

『ペイパル請求書』は「メールタイプ」の電子請求書です。

メールを受信した人の視点で見れば、『請求書の表示および支払い』のボタンをクリックし、スグに決済処理(カード決済・PayPalアカウント決済)をすませることができるので非常にラクです。もちろん「経理担当者への社内転送」が必要な場合も、メーラでの転送操作だけでよいので、とても簡単です。

請求書を発行する側の視点で見ても、たとえば従来型の「紙請求の業務プロセス」が、
  1. 請求書のExcelデータの作成し
  2. 請求書を印刷し
  3. 請求書を郵送し
  4. 指定銀行口座に入金されたかを確認する
といった手順を踏んでいたのに比べて、
  1. PayPal にログインして請求データの入力する
  2. (決済完了通知が来る)
といった非常に簡素なものになります。しかも、クレジットカード情報は受け取らないので「漏洩リスク」もありません。


昨今では、「生産性向上」や「テレワーク環境整備」の観点からも非常に注目されています。(PayPal 請求書

<受信したメールの例:メーラ画像>

ワークフローとのAPI連携

『ペイパル請求書』は、特別なシステム導入が要りません。

しかし、「Paypal にログインすれば請求書が送信できる」というこの手軽さは、同時に「上司承認が曖昧になる」や「複数人でのミスチェックがしづらい」といった新たな課題を抱えることにもなります。特に「業務プロセス」を重視する会社であれば、ガバナンス上の問題として議論される可能性があります。


以下の業務プロセス定義サンプルでは、ワークフローシステムから API 制御させることによって

「PayPal にログインせずに PayPal 請求書を活用する」

という方針を実現しています。すなわち、ワークフローシステム内で承認・チェックされたデータが API を通じて自動的に PayPal 側に連携され、「請求メールの送信指令」もワークフローシステムから API を通じて届けられます。そして「いつ誰が何をしたか」という業務記録は全てワークフローシステム側に記録されます。

※ クラウド型ワークフロー『Questetra BPM Suite』であれば、無料で実現することが可能です。(業務プロセス定義をインポートすれば数時間で構築できます)

[PayPal 請求書発行プロセス]

具体的な操作方法

(業務プロセス図を見れば、およそ理解できるコトですが、、、)

まず、『納品担当者』は「請求先のメールアドレス」や「納品物の単価・数量」などを登録します。(先頭工程「請求データ登録」)

その後第2工程「請求データ承認」で、『経理担当者』による入力ミスのチェックが行われます。

さらにその後、案件は無人工程「PayPal Create」に遷移します。そこでは、PayPal とのセキュア通信(OAuth2)により、自動的に『ペイパル請求書』が生成されます。( PayPal 側に下書き状態で保存されます)。そしてタイマーイベントにて「メール送信時刻」まで滞留した後に、案件は無人工程「PayPal Send」に遷移します。そこではワークフローシステムから「請求メールを送信せよ」という指示が行われます。


この業務プロセス定義では、『納品担当者』も『経理担当者』も、Excel や PDF の操作は不要です。必要なソフトはWebブラウザだけであり、スマートフォンやタブレット端末でも、全ての処理を行うことができるでしょう。

なお、「備考文」や「契約条件文」等についてはテンプレート文が初期値セットされているので、普段の請求登録でこれらの情報を入力する機会はあまりないと言えます。

<請求データの入力項目>
  • 請求先の組織名(単一行テキスト型)
  • 請求先の部署名(単一行テキスト型)
  • 請求先の担当者名(単一行テキスト型)
  • 請求先の担当者のメールアドレス(単一行テキスト型)
  • 納品物の商品名(単一行テキスト型)
  • 納品物の詳細説明(単一行テキスト型)
  • 納品物の数量(数値型)
  • 納品物の単価(数値型)
  • 請求書のID(単一行テキスト型)
  • 支払期日(日付型)
  • 備考文(複数行テキスト型)
  • 契約条件文(複数行テキスト型)
[Paypal請求書発行プロセス:「1.請求データ登録」画面]

具体的な設定方法

この例にある「PayPal Create」と「PayPal Send」は、無人で処理される工程(サービス工程)です。

管理職者(プロセスオーナー)が、基本となる設定を行います。設定された内容は全ての請求書に適用されます。

<請求書の基本設定>
  • 販売人PayPalアカウントとのシークレット鍵(文末注参照)
  • 販売人の組織名
  • 販売人の住所
  • 販売人の電話番号およびメールアドレス
  • 適用する税率
  • 請求書に掲載するロゴ画像のURI

従って、もし「税率0の請求」と「税率8の請求」が混在するような場合には、業務フローを途中で分岐させ、「税率0が設定された PayPal Create 工程」と「税率8が設定された PayPal Create 工程」のそれぞれに適切に流れつくような業務プロセスをモデリングする、といった工夫が必要となります。

なお、業務プロセス全体を、ゼロから(スクラッチから)モデリングしたい場合には、あらかじめ当該サービス工程を追加(アドオン)しておく必要があるので注意が必要です。


次回は、「決済状況の自動チェック」など、もう少し実務に迫ったサンプルを検討しようと思います。

<設定画面:Paypal Create>

<設定画面:Paypal Send>

※シークレット鍵について
ここで利用される「PayPal Invoicing API」という技術は、秘密のクレデンシャル(clientId と secret)が使われます。専門的には「OAuth2 Token via client_credentials grant」と呼ばれる技術が使われています。あらかじめ「PayPal 管理者ダッシュボード」からクレデンシャルを取得しておく必要があります。

(ちなみに、2014年にリリースされた「REST API 版」の Invoicing API が利用されています。2011年にリリースされた「NVP/SOAP API 版」の Invoicing API ではありません。マニュアル類を参照する際には注意してください。)


<データ項目一覧画面>



[雛形ダウンロード (無料)]
<類似プロセス>
≪関連記事≫

[英文記事 (English Entry) ]

0 件のコメント :

コメントを投稿