ネット選挙解禁、「中傷記事の削除」どうする?

2013年5月20日
いよいよ今週2013年5月26日に、改正公職選挙法が施行される。
日本でも、インターネットで「選挙運動」ができるようになる。(えっ、イマサラ!?!)

要するに候補者(や政党)は、選挙期間中も Facebook
を毎日更新する様になる訳だ。メールもバンバン送る様になる訳だ。そんでもって「私に投票して下さい」と堂々と書けるようになる。(今まで「電話」をかけまくってたのはナンだったんだろう?)

注意しなければならないのは、一般人もこの「選挙運動をしてしまっている」と言う事実だ。
たとえば、選挙期間中に「A候補がんばれ」とか「B候補をヨロシク」と発信するなんて事は、誰にだってできる。あるいは「C候補は、あんな奴は当選させちゃダメだ」なんて、ついつい同調して発信してしまうだろう。
しかし今回決まったルールでは、ブログやSNSで「選挙運動」や「落選運動」をするなら『その者に連絡をする際に必要な情報』を表示しておかなければならない。Facebook
や Twitter で発信している以上、全く問題ないが、ブログやホームページで情報発信したい場合には注意が必要だ。

(少し話はズレルが)、メールでの「選挙運動」は明確に禁止されている。一般人は「メール転送」も含めてメールで「選挙運動」しちゃダメだ(まずもってバレナイんだけど…)

さて、、、
そこで新たな業務が発生しそうなのが、Blog や掲示板の運営会社だ。

A. 誹謗中傷記事に対する削除依頼を、執筆者に連絡する業務
B. メールアドレス等の表示義務違反を、執筆者に連絡する業務

これは、かなりの規模の人間タスクになる様な気がする。。。
「中傷削除」を依頼する人は、候補者その人だ。まずは「候補者の本人確認」から行わなければならない。また人気サイトの場合、表示義務違反の指摘が膨大な数になる可能性もある。インターネット関連会社にとって、関連する業務プロセス整備(ワークフロー整備)は急務だ。

[公開記事の修正依頼フロー]



[公開記事の修正依頼フロー:「1.依頼内容確認/候補者本人確認」画面]


スピーディーに、ヌケモレなく、漏洩が起きない、そんな仕組みが望ましいのは言うまでもない。しかしそのあるべき姿は、会社規模や実際のメンバースキルによって異なる。

ここに示した業務プロセスでは、3チームでの対応が想定されている。
  • 記事を修正すべきだと言う外部からの意見を受け付けるチーム(選挙候補者等)
  • 記事の執筆者に対して修正削除依頼を行うチーム
  • サーバ管理権限でログ確認や記事削除を行うチーム

個別タスクの処理マニュアルだけでも大変な規定になりそうだが、中でも『3.返答の確認(締切:48h後)』はヤッカイなタスクだ。
たとえば、運営会社が「C候補者から名誉棄損と言われている。あなたの記事を削除して欲しい」とブロガーに依頼して、執筆者が素直に応じてくれればよいが、もし「これは名誉毀損ではない。削除に応じられない。削除せよとの申し出を公開する」と言った返事が来たらタイヘンだ。
もちろん最終的には、当事者間にて裁判所に行ってもらうしかないが、伝え方(初動)をあやまると運営会社自体もメンドウに巻き込まれる。

ちなみにここでは1つの業務プロセス定義を例示したが、実際の業務プロセスは運用しながら修正改善せざるを得ないだろう。つまり、最近成立した「法令」や業界団体の「共通ガイドライン」だけで、あるべき業務フロー(業務マニュアル)をきっちり規定しきれるとは思えない。こんなケースでこそ、業務プロセス管理(BPM)の思想を心に刻み、「業務プロセスの改善サイクル」を回していただきたい。

[ダウンロード]

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