第485話:「カタログ送付先リスト」に対して自動追記する(kintone API)

2016年5月30日
「カタログ郵送、、、意外とミスが多いんデス」

公開Webフォームで受け付けた「資料請求」には素早く対応したいものだ。しかし、お客様に入力していただいた『住所』や『会社名』を間違えるとサムイ。。。たとえば「Word送付状」にコピペする時に、参照すべきレコードが一件ずれてしまい、
  • ウチ、そんな社名じゃないよ
  • ウチに、そんな社員はいないよ
などというクレームにつながれば、場合によっては「個人情報漏洩事件」とすら言われる可能性がある。


以下の業務プロセス定義は、『受付担当者』が
  • 入力途中で送信してしまった様な未完成な住所だったりしないか?
  • イタズラ目的のデタラメ住所になってないか?
  • 省略表記や無用なスペースなどが混ざっていないか?
などをチェックした後に「送付状PDF」は自動生成され、『郵送担当者』はそのPDFを印刷して資料を封入流れとなっている。そこに人手は介在しない。

秀逸な点は、この業務において「リスト」が作られることもない点だ。情報漏洩リスクは極めて低くなる。そして封入作業が完了し次第、「会社名」や「電話番号」などのデータは自動的にクラウド型データベースに追加される。(一目瞭然ではあるが、「あわせて見積も欲しい」などの書き込みがあった場合に『営業担当者』に依頼する流れも想定されている)

[資料請求対応業務]



この例は、クラウド型データベース『kintone』に対して、住所・社名・顧客氏名などの一覧が格納されていく(追記されていく)仕組みだ。

もちろん、ワークフロー側でも「住所・社名・顧客氏名などの一覧」は表示可能だ。しかし、、、そのリストに対して、更にみんなで何か書き込む必要があるような場合、別途データベースやスプレッドシートを運用するのも良い。

なお、「自動追記」の具体的な設定方法は、前回記事(与信管理フロー)と同様に、
  • 「データ連携のための JSON テキスト」を自動生成し、
  • それを kintone API にリクエスト送信する
という流れになる。以下に掲示していない設定の詳細については、サンプルをインポートして設定画面を参照していただきたい。

[資料請求対応業務:「1. 住所確認/対応判断」画面]


▼kintone アプリの設定例
  • [Record number]
  • WFPid (文字列1行)
  • quickSupport (文字列1行)
  • company (文字列複数行)
  • name (文字列複数行)
  • tel (リンク)
  • email (リンク)
  • NOTE (文字列複数行)

▼スクリプト工程『JSON生成』の設定サンプル (サーバサイド JavaScript)
//// == ワークフローデータの参照 / Retrieving ==
var pid = processInstance.getProcessInstanceId() + "";
var quickSupport = data.get("18"); 
var company = data.get("28") + ""; 
var name = data.get("30") + ""; 
var tel = data.get("7") + ""; 
var email = data.get("8") + ""; 

//// == 演算 / Calculating ==
// 接続先の kintone app に合わせた多次元オブジェクト

var myObj = {
  "app": "4",
  "record": {
    "WFPid": {
      "value": "-"
    },
    "quickSupport": {
      "value": "-"
    },
    "company": {
      "value": "-"
    },
    "name": {
      "value": "-"
    },
    "tel": {
      "value": "-"
    },
    "email": {
      "value": "-"
    }
  }
};

myObj.record.WFPid.value = pid;
myObj.record.quickSupport.value = quickSupport.get(0).getDisplay() + "";
myObj.record.company.value = company;
myObj.record.name.value = name;
myObj.record.tel.value = tel;
myObj.record.email.value = email;

var myJsonText = JSON.stringify( myObj );

//// == ワークフローデータへの代入 / Updating ==
retVal.put("22", myJsonText );

▼スクリプト工程『入力データ自動複製』の設定サンプル (サーバサイド JavaScript)
(※ スクリプト工程を使わず[データ設定](M227)を並べて設定することも可能です)
//// == ワークフローデータの参照 / Retrieving ==
var zipCode = data.get("1") + ""; // 郵便番号
var address = data.get("3") + ""; // 住所
var company = data.get("4") + ""; // 会社名
var department = data.get("5") + ""; // 部署名
var name = data.get("6") + ""; // 宛名

//// == 演算 / Calculating ==
name = name + " 様";

//// == ワークフローデータへの代入 / Updating ==
retVal.put("26", zipCode );
retVal.put("27", address );
retVal.put("28", company );
retVal.put("29", department );
retVal.put("30", name );


<データ項目一覧画面>


[雛形ダウンロード (無料)]
<類似プロセス>
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[英文記事 (English Entry) ]

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