日本的なCRMを業務プロセスに落とし込む

2012年9月24日
宿泊予約システム。機械的なメッセージも、それはそれで悪くない。
『10日前』と『前日』にリマインダ通知が届いたり、アンケートメールが『帰宅後の翌日』に自動的に届いたり…。

でも、もしそこに、心温まる一文が書き加えられていたらどうだろう?
「お帰りの日の金閣寺散策は、如何でしたか? 小雨が降っていたので、従業員一同心配しておりました。」などの心遣いがあれば、旅行者として嬉しいものだ。コレ、日本語でオモテナシと言う。

以下は、予約管理ワークフローに「人間処理」を足した事例だ。


[旅館予約対応フロー]

このワークフローでは『予約受付後』と『10日前』と『前日』に、メールを送る事を想定している。
ワークフローシステム(やBPMS)から直接メールを送れば、システム内の業務データを活用できるので、とても便利だ。たとえば、「定型文にお客様(宿泊者)の名前や宿泊日などが差し込まれた状態」からメール文を編集する事も可能になる。案内メールの中で、お客様の名前や宿泊予定日を間違うと言ったクリティカルなミスの低減にもなる。予約担当者の心に余裕があれば「明日は雨が予想されています。若干歩く距離が伸びますが地下街を使ってお越し頂くことも可能です」と言った文章を加筆することもできる。

またこの事例では、『宿泊後』にも御礼メールを送る事も想定している。
そこでは、業務記録として従業員がメモした内容を参照しながらメール文の作成が可能だ。お客様から頂いたご要望、お問い合わせ内容、特別対応の記録、お声掛け頂いた内容などの従業員メモを参照し、女将が自ら「この度は、我々のお料理をお褒め頂いたそうで、誠にありがとうございます」と言った文章を書くこともできる。

この様な1人ひとりのコンシューマに対する手厚いケアは、日本的な顧客関係管理(CRM:Customer Relationship Management)の特徴だ。旅館民宿に限らず、様々な業種で色々な工夫が為されている。
例:通販会社、車ディーラー、写真店、引越会社、料理店居酒屋、キャンプ場、スキューバダイビング倶楽部…

ちなみに、『10日前』や『前日』などの日付自動計算は、クラウド型ワークフロー『Questetra BPM Suite』では、自動演算を行う「サービスタスク」を配置して行う。サービスタスクの詳細は『モデリング: データ演算とデータ代入の書式』を参照されたい。


PS
なぜ『10日前』なのか? なぜ『7日前』ではないのか?
予約を必要とするサービス業では、曜日に応じて忙しさが決まる。もし事前案内を『7日前に行うルール』にすると、「忙しい日」に大量の事前案内作業を行い、「暇な日」に少量の事前案内作業を行うことになる。毎日の作業量を平準化し、「暇な日」に大量の事前案内が出来るようにするための工夫だ。


[旅館予約対応フロー: 「3.宿泊10日前の案内文を書く」画面]


<サービスタスク設定画面>

<類似プロセス>

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