年末調整に「個人番号」(マイナンバー)を書くべきか?

2015年11月24日
  • A. 「平成27年度分 給与所得者の保険料控除申請書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申請書」
  • B. 「平成28年度分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」

日本企業における「年末の風物詩」、、、いわゆる『年末調整』というヤツだ。 「天引きされた額」と「支払うべき所得税」の差分を精算してもらうことを目的に、「家族等の扶養状況」や「保険の加入状況」などを申請するのだ。日本全国5000万人の給与所得者が、紙の書類に記入し、押印をした上で、会社に提出する。

ちなみに、日本では、所得税や地方税を徴税する業務は、企業が肩代わりするルールだ。(所得税法>源泉徴収

つまるところ、これらの書類が税務署や国税庁に郵送されるようなことはない。企業にしてみれば「正しい情報」が集まりさえすれば良く「紙での提出」というルール自体はどうでも良いのだが、法令に従って7年間の保管義務に従っている。もちろん「紙・プリンタ・転記の手間・郵送の手間…、あらゆる資源を無駄遣いしている」と感じている企業は少なくない。。。(ブツブツ)(ぶっちゃけシャチハタであろうが、芋版であろうが、ナンデも良い)

さて、、、これらの書類のうち B 書類のフォーマットが今年から変わる。

一見すればわかるように「マイナンバー」が追加されるのだ。賢明な読者諸氏ならお気づきの事とは思うが、、、この紙が『個人情報』から『特定個人情報』に格上げされてしまうのだ。。。(よし、頑丈な棚を買うか??)


[年末調整:扶養控除の申請]



上記のワークフローは、「平成28年度分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の PDF を自動生成する。

全ての項目には対応していないが、大半の人はコト足りるだけの75個のフォームがある。必要事項を入力すれば、自分が提出すべき書類 PDF が自動生成される仕組みだ。(PDF 生成の自動工程)

記入に際して不明点がある場合も、作成途中の状態でオンラインやりとりが可能となる。しかも来年からは、前年の申請データを[再利用開始]できるので、入力作業自体も極めてラクになる!!


このワークフローが真に秀逸な点は、

特別な理由がない限り、個人番号は記入しないでください(別途申請してください)

と注記しているところだ。

そもそも「個人番号」の入力は、申請者にとっても大きな手間だ。毎年、家族全員の通知カードを探さなければならないと思うとゲンナリする。そもそも、別途「本人確認の措置」とやらを経てマイナンバーを申請したはずだ。

「何故、マイナンバーを書かなくてよいか?」

詳しくは、以下の FAQ を参照して欲しい。なお「留意点」については十分チェックしておく必要があるだろう。


◆社会保障・税番号制度(マイナンバー)FAQ > 源泉所得税関係に関するFAQ
Q1-9: 扶養控除等申告書の個人番号欄に「給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨の記載をすることで、個人番号の記載に代えることはできますか。
http://www.nta.go.jp/mynumberinfo/FAQ/gensen_qa.htm#a19

<留意点>
(1) 給与支払者において保有している従業員等の個人番号(従業員等の個人番号に異動があった場合は異動前の個人番号を含む。)については、扶養控除等申告書の保存期間(7年間)は、廃棄又は削除することはできません。
(2) 保有する個人番号については、個人番号関係事務に必要がなくなったとき及び個人番号を記載すべきであった扶養控除等申告書の保存年限を経過したときには、速やかに廃棄又は削除しなければなりません(廃棄が必要となってから廃棄作業を行うまでの期間については、毎年度末に廃棄を行う等、個人番号及び特定個人情報の保有に係る安全性及び事務の効率性等を勘案し、事業者において判断してください。)。
(3) 給与所得の源泉徴収票(税務署提出用)には適切に個人番号を記載する必要があります。



PS:

各種申請書類は、国税庁のホームページからダウンロードできる。

しかし、これらの PDF はいずれも、ご丁寧にもセキュリティロックされている状態だ。まずはロックを解除する必要がある。それらの方法については、他稿を参照して欲しい。なお、ロックを解除し、ワークフロー用の「台紙 PDF」としてフォームを追加した一例は、こちらになる。(そのまま使うことも可能だ)


PS2:

自分の子供の続柄(つづきがら/ぞくがら)の欄に悩むケースは少なくない。

そもそも続柄については「住民票」(住民基本台帳法)や「戸籍」(戸籍法)に記載がある。ただ、住民票においては、1995年3月以降、プライバシー問題から一律に「子」と記載されるようになった。つまり、嫡出子を「長男」「二男」(「次男」ではない)する一方で、嫡出でない子を単に「男」と記載するという方式は、すでに廃止されている。

このことから「子」と書くのが適当である。つまり推奨されるべき表記は「妻、子、父、母、妹、弟」など。(「長男の嫁」ではなく「子の妻」)

ちなみに、戸籍においては、民法における相続権の違いがあったために非嫡出子を判別できる続柄が継続されていた。しかし、民法改正によって法律的地位に違いが無くなった2013年12月以降は、婚外子の場合の表記「男」を再製できるようになっている。

(どうでも良いが、、、世の中には「お母さんの彼氏」などの記載する人がいるらしい。そんな続柄はない。しかも、その人は、たぶん、、、単なる「同居人」で「同一世帯」ではない。)


[年末調整:扶養控除の申請:「1.情報登録」画面]

<データ項目一覧画面>


[雛形ダウンロード (無料)]
<類似プロセス>
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[英文記事 (English Entry) ]

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