実作業コストを記録させる作業依頼フロー

2015年11月16日
「内部工数が見えない…」

企業活動において「作業コストの可視化」は重要なテーマだ。しかも、今日に至っては、情報処理技術・通信技術の進化によって多種多様な表現手法が可能なハズだ。
  • 移動経路が分かる「GPS ロガー」(移動マップ)
  • 熱分布が分かる「サーモグラフィー」(赤外線熱画像)
  • 予算履歴を把握できる「EVM グラフ」(完成度推移グラフ)
※ GPS: Global Positioning System, EVM: Earned Value Management

そもそも『可視化』とは「直視するだけでは認識しづらい情報」を、画像やグラフなどによって認識しやすくする取り組みだ。企業活動(業務プロセス)の可視化に限っても、すでに様々な図表が活躍している。
  • 作業工程の順序が分かる「BPMN フロー図」
  • 各工程での滞留状況が分かる「ヒートマップ」
  • 個人やチームでの「マイタスク処理数の推移グラフ」
  • フロー全体や一部工程における「BAM 平均所要時間の推移グラフ」
※ BPMN: Business Process Model and Notation, BAM: Business Activity Monitoring

「うーむ、何とかして可視化したい…」。


ただ一方で、、、「内部工数」をテーマにする場合には、それらの要素データとなる「実稼働時間」の情報をどのように収集するかが、大きな課題と言える。

[汎用的な作業依頼フロー]



この業務プロセス定義は「実コストの可視化」が強く意識されている。

依頼元が「想定コスト」を設定し、依頼先が「実コスト」を記録するワークフローだ。ここに流れた全ての案件を「日付X軸」で集計すれば「予定コスト」と「実コスト」の推移がグラフで表現されるだろう。

もっとも、この業務プロセス定義は、「プロマネ(上司)に言われた作業だけをしてれば良い」という体制であることが前提となっている。つまり、フォロワーは、流れてきた作業指示について、ひとつひとつ完了報告をする。少し違う表現をすれば、リーダとフォロワーに習熟度の面で「大きな差」がある組織に向いているのだろう。※ いわゆる「指示待ち」となってしまうケースも許容される業種業態 (SL 理論参照)

なお、このフロー図は、前回紹介した定義と全く同じだ。ただ、データ項目の設定において『想定作業コスト(数値型)』や『実作業コスト(数値型)』などが追加されている。

参考)
  • PV グラフ: 『想定作業コスト』を『作業完了希望日』で集計した累積折れ線
  • EV グラフ: 『想定作業コスト』を『作業完了日』で集計した累積折れ線
  • AC グラフ: 『実作業コスト』を『作業完了日』で集計した累積折れ線
※ PV: Planned Value, EV: Earned Value, AC: Acual Cost

※ 残念ながら、Questetra BPM Suite の ver.10.4 現在、複数の「数値項目の折れ線グラフ」を重ね合わせ表示する機能はない。

▼『想定作業時間』の[入力ヒント]の設定サンプル(HTML/JavaScript)
<i>例: 3.5(h)</i>
<script type="text/javascript">
jQuery('input[name="data\\[1\\].input"]').on('keypress keyup change',function(){ 
//データ項目「作業時間」のフォーム値に変化があれば、

  //作業時間の取得
  var laborHour = jQuery(this).val() - 0;
  //時給の取得
  var wage = jQuery("input[name='data\\[●\\].selects']:checked").val() - 0;
  //コストの算出
  var retStr = laborHour * wage;

  jQuery('input[name="data\\[●\\].input"]').val( retStr );
});
</script>

[汎用的な作業依頼フロー:「1.依頼作業の登録」画面]

<データ項目一覧画面>


[雛形ダウンロード (無料)]
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