御社の立替金精算、「不正」が起きない業務フローですか?

2015年2月2日
立替金の精算フローに「不正」は無いか?

確かに「人事ローテーションを行う」や「監査体制を強化する」など、別部門をまきこんだ内部統制も重要だ。しかし、基本的には「日常的にコツコツと自分達の業務を改善し続ける事」こそが、自分達の存在価値を向上させる。

本稿では、自分達自身でリスク発生確率を下げることを考えたい。


そもそも「リスクの発生確率を下げる活動」は「リスクを想定する活動」に始まる。まずは、立替金精算で想定される「不正」を列挙してみよう。

[Create] 不正なデータが挿入される
  • パソコンで架空領収書を自作した!
  • なじみ店に領収書を作ってもらった!
  • 立替支払の事実はあるが、その後、返品や転売を行った!!

[Update] 不正なデータに書き換えられる
  • 領収書の手書き金額部分を修正した!
  • 複数の領収書を合算する際に計算ミスした!
  • 領収書記載の金額のより大きな数字を申請データに入力した!!

[Delete] 正常なデータが消される
  • 申請した気になっていた!
  • 経理部門で証憑をロストした!
  • 上司が部下の申請を故意にモミ消した!!

実際に、立替金申請の様な「身近なワークフロー」で実践してみると実感できるが、『リスクの想定』自体はそれほど難しい話ではない。日頃その業務フローに関わっている人間なら、5個・10個のリスクを列挙する事など簡単だ。

だが一方、『リスク・コントロール』となれば、少々ハードルが上がる。(基本的には、業務プロセスの設計事例でコツコツ学習するしかない)

以下のワークフローは『相互牽制』によるリスク低減が図られている。1つ目の大きな工夫は「発生時申請」だ。月末の一括申請ではなく立て替えが発生する度に申請されるため、関係者の記憶が新しい内にチェックできる。2つ目の大きな工夫は「スキャナ保存」だ。紙証憑である領収書のデジタル画像が添付されるので、多くの関係者による同時チェックが可能となる。

[立替金精算プロセス-発生時申請]

[立替金精算プロセス-発生時申請:「1.立替金発生時申請」画面]

興味深い点は、「申請時データ」と「最終承認時データ」がメール送信される点だ。

もちろん、メールが多くなってしまうという欠点もある。しかし、ワークフローに流れる業務データが自動送信される仕組みは、その瞬間における業務データのバックアップとも言える。また、チェックを行う側からすれば、外出移動中にもチェックできるというメリットがある。

また、事務職・申請者の「どちらも」がスキャナ保存(画像化)できるという点もユニークだ。

「スキャナ保存」については前回記事および前々回記事でも紹介したが、これらの記事ではスキャナ操作者が固定化されていた。ただ、このワークフローにおいては「データ入力」は申請者自身が行うものの、「スキャン保存」は自身で行っても良いし事務に依頼しても良い。勤務地や部署の違いが吸収されていると言っても良い。

◇ 事務職による一括画像化 (前回)
◇ 申請者による画像化 (前々回)

これまで人類は、紙の領収書の「チェック」や「保管」に大きな管理コストをかけてきた。にも関わらす、十分な管理ができていたとは言えない。中には、『テガキ領収書を「加工」するなんて序の口だよ』と言ったセリフを聞いたことがある人も居るだろう。現実問題、官民問わず『不適切経理』のニュースが後を絶たない。(参考:上場企業地方議員大学、など)

情報システム(ワークフローシステム)を活用した「業務効率化」に着手する際には、ミスや不正の発生確率を低減させる「透明化策」も推進したい。

<データ項目一覧画面>


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