確かに "社内に閉じていない業務プロセス" は、改善による投資効果は大きい。例えば、より早く・よりミス無くレスポンスできる企業体質になれば、業績は自ずと向上するだろう。
しかし、、、
- 全ての処理記録を残す
- 案件属性に応じてフローを自動分岐させる
- 請求書PDFは手作業では無く自動的に生成させる
- 全案件の現在進捗を、いつでもモニタリングできる様にする
最初から "完璧な業務プロセス" を定義しようとしてはイケナイ。業務プロセス管理活動(BPM活動)のキモは "小さく始める" 所にある。例えば、全工程ではなく部分的な工程で始めるのも良い。例えば、全案件ではなく例外案件は無視した形で始めるのも良い。
以下のプロセス図は、ホームページ制作会社の "受注納品請求フロー" だ。初見、長大にも見えるが、1分ほど眺めると "意外とシンプルな業務プロセス" と分かる。要するに1つの受注登録に対して、1つの請求書が発行される仕組みだ。言い換えれば、請求(納品)が2段階に分割される様なケースは想定していない。
さて、、、実運用の過程で "2段階納品" の案件が、無視できない発生頻度となってきた、とする。どの様なプロセス改善が考えられるであろうか?
[受注納品請求フロー]
[受注納品請求フロー:「4a.請求データ編集」画面]
[データ項目一覧画面]
"1受注2納品に対応できる業務プロセス" としては、様々なものが考えられる。たとえば、
[分流ポイント] を配置して、2枚目発行用の "4a.請求データ編集" 工程を作る
などが一般的な解だ。そうする事で、"請求を分けると言う判断" を、どの様な時に誰が決めるかといった "業務ルール" も明らかになる。しかし多くの場合、プロセス図が見づらくなってしまう。また、3枚目発行、4枚目発行などのケースには対応できなくなる。
以下は、"1受注2納品に対応できる業務プロセス" の中でも少し変わった業務プロセス案だ。
[受注納品請求フロー(開始ポイント追加)]
(4aに開始ポイント「請求書再発行」、3に開始ポイント「分割納入」)
あまりに変更箇所が小さいので改善部分が分かりにくいが、工程 "4a.請求データ編集" と工程 "3.受注確認" に [開始ポイント] が追加されている。たったこれだけの改善によって "受注申請情報などの業務データをコピーした案件" を途中工程から新規に流す事ができる様になる。請求書の再発行が実に簡単に行える様になっている。
もし、"請求を分ける判断" が大きなテーマでないのなら、もし、"1受注2納品" の発生がそれほどに多くないのなら、むしろ見やすさやモニタリングを重視したプロセス図の方が良い。業務プロセス改善活動は一日にして終わるモノではない。プロセス改善活動が停滞してしまうリスクは、何としてでも避けたい。
ちなみに、この様な発想は "社外のビジネスプロセス・コンサルタント" との会話で得られるケースが少なくない。プロセス改善は "社内の業務" について詳しい人が関わらなければ進まないのは当然だが、折々に "改善サイクルの進め方" のレベルで知見を持っている人にヒントをもらう活動も検討してみるべきなのだろう。
PS: "受注から請求まで" の業務プロセスをテーマにしているBPM導入事例は多い。興味ある方は、以下の記事なども参照して頂きたい。
[雛形ダウンロード (無料)]
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