「フロー図の書き方」には色々あるが、『業務フローの描画手法 BPMN』の利点は BPMN と言う言葉を知らない人でも眺めていれば理解できる点だ。
最近では企業のみならず、政府機関や任意団体でも、業務の見直しに BPMN を活用するケースが急増してきた。人員の入れ替わり時や新人配置時にも「業務をスグに覚えられる」のがウケている。業務マニュアルより BPMN を優先するのは至って合理的だ。
(1) 簡単なビジネスプロセスも BPMN で描いて、キッチリと社内共有する。
(2) 定義した BPMN を使って、情報システムを構築する。(BPMツール)
(3) 情報システムの運用実績を元に、ビジネスプロセスを更に改善する。
ちなみに、意外と上手く運用に乗らないのが「紙との併用」が必要になるビジネスプロセスだ。ここでは、その代表格である「立替金申請」を考察してみたい。
※ BPMN: Business Process Modeling Notation (1.x) / Business Process Model and Notation (2.0~)
業務手順を分かりやすく図示して可視化するための表記ルール。複数の人間(や機械)が関わる「一連の業務処理」を記述するのに有効なモデリング手法で、(1)IT技術者でなくとも初見で理解できる、(2)システム実装に直結する、と言った特徴を持つ。業務プロセス管理(BPM:Business Process Management)ツールの基盤技術。業務フローのテンプレートをお届けしている『ワークフローサンプル』も、BPMN 手法を使っている。
参考)http://store.questetra.com/ja/bpm/bpmn/
[立替金申請フロー_デジタル領収書]
今の御時世『立替金申請』で議論になるのは、「領収書の実物」にどの程度こだわるか?。 すなわち、ケータイ撮影やスキャンデータ等の「領収書のデジタルファイル」を活用すれば、『処理コスト』が大幅に下がり、『検索性』も向上する。
冷静に考えれば、インターネットで手配した旅費交通費の領収書をプリントアウトして経理部門が手入力するなんて「前世紀の名残」だ。そもそも近距離移動の交通費も領収書を要しない。「紙との併用議論」の行きつく先は「申請者をどこまで信じるか」と言う企業ポリシーになる。
ここではあえて『10万円までの領収書は全て「デジタルファイル」で提出させる』と言う業務ルールに変える事を提案したい。立替金精算の業務フローに投じている業務コストは大幅に改善される。移動時間にスマホで逐次申請すれば月末のユウウツ作業からも解放される。
なお、上記のワークフロー定義ではメッセージ送信中間イベントを使って「各支払レコード」をデータ送信している。もちろんデータ送信先は「基幹システム」でも良いが、閲覧権限を財務部門に絞った「別プロセス」にしてしまうのも悪くない。BPM Suite を上手に使えば、基幹システムも必要なくなる。
[立替金申請フロー_デジタル領収書 「1.申請(1度に5件まで)」]
[メッセージ送信中間イベント設定画面]
[立替金集計(データ受信想定)]
<類似プロセス>
- ユーウツな月末処理を、ラクチンにするワークフロー? (2010-11-08)
- 立替金申請プロセスを月次起動させるタイマー設定 (2011-05-21)
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