「検収報告を受ける」という受け身な工程
イラスト制作・Webサイト制作・内装工事。。。そんな受託事業には「検収対応」がツキモノです。請負契約に基づく案件は、単に、(1)成果物を「納品する」だけではなく、(2)クライアントから「検収報告書を受け取る」という段階を経て始めて、(3)委託費を「請求する」ことが可能となります。
(もっとも、特別な取引関係にあっては「検収工程」が省略され「納品即請求」が許されるケースもありますが…)
世界中で
- クライアントの為に「検収報告書」のサンプルを添付する
- 文書名を『納品書』とせず『検収依頼書(兼 納品書)』といった名前にする
何をする工程か決まってない?
しかし、現実の「検収報告の受領」は、- A. 納品当日に「検収報告書」を渡してくれるケース
- B. 検収期限ギリギリに「検収報告書」を送ってくれるケース
- C. 検収報告書の提出は行われず「みなし検査合格に関する規定」の適用を前提とするクライアント
- D. 「成果物が仕様を満たしていない」と判断されて検収期間の延長を迫られるケース
- E. 「成果物が仕様を満たしていない」と判断されて再納品を迫られるケース
ではこの様な場合、どのように業務プロセスを描けばよいのでしょうか? とくに「何もせずに期限がきて終わる」という(C)は、どのように表現すれば良いか悩みます。
[検収対応フロー]
全パターンを業務フロー図に表現する
上記は、想定対応パターンを全てカバーした業務フロー図です。キモとなる『検収対応・検収報告書受領』というヒューマン工程からは、
- ab. 検収報告を受領した
- c. (自動的に『みなし検収合格』になった)
- d. 検収期限を延長する
- e. 検収納品を断念する
工程の自動完了と完了時刻の変更
BPMNベースのワークフロー・モデリングでは、ヒューマン工程の締切時刻を『検収期限』とすることで、「その時刻になったら自動的に次工程に流れる」という業務ルールが表現できます。(タイマー境界イベント)。これは、フロー途中に配置される滞留イベント(タイマー中間イベント)が
「その時刻まで必ず滞留し続ける。(誰も次の工程に進められない)」
のに対して、
「その時刻まで必ずしも滞留し続けない。つまり担当者はいつでも任意の工程に進めることができる」
という点で大きく異なります。
なお、ヒューマン工程の締切時刻は、ヒューマン工程に到達時に設定されるため、基本的に変更できません。しかし、そのヒューマン工程から「出て」自身に「戻って」くるフローを追加しておけば、(疑似的に、)担当者自身がその締切時刻を変更することが可能となります。
この様なワークフロー定義にしておけば、最下流の請求担当者も「どのような処理を経て流れてきたのか」が一目して認識できるようになるでしょう。また、経営層や管理職も「いまどの状況にあるのか」をモニタリングできるようになります。
[検収対応フロー:「2.検収対応・検収報告書受領」画面]
<データ項目一覧画面>
[雛形ダウンロード (無料)]
- 業務テンプレート:検収対応フロー
- 第529話:PayPal業務のサブルーチン化 (2017-04-03)
- 第521話:業務プロセスの自動化とは?(その4) (2017-02-06)
- 第504話:監査書類を Dropbox に自動保存! (2016-10-11)
- M202 業務の流れ: 処理フローを定義し、各工程の締切時刻を設定する (使い方)
- M203 業務の流れ: 処理フロー途中に、同時並行処理、単一選択分岐、複数選択分岐を設定する (使い方)
- M228 自動工程: 業務データを挿し込んだPDF帳票が自動生成されるように設定する (使い方)
[英文記事 (English Entry) ]
0 件のコメント :
コメントを投稿