第500話:振替伝票は手作業??

2016年9月12日
ここ数年、会計システムにも「クラウド化」の波が押し寄せている。

日本においては、老舗のソフトメーカが『クラウドサービス』を開始したのが大きい。具体的に言えば『MFクラウド会計』と『freee』のマーケットに、2015年7月『やよいオンライン』が参入してきたのだ。中堅・大手向けの機能も拡充されつつあり、もはや「ベンチャー企業」や「個人事業主」だけのツールとは言えない。

最大の利点は「銀行入出金」と「クレジットカード利用」の『明細データ』を一括して取り込めるところにある。すなわち、全ての明細レコードは売上伝票や支払伝票として自動的に取り込まれる。しかも、経理部門が手入力すべき各伝票の勘定科目についても「自動仕訳機能」によってあらかじめセットされているのだ。(仕訳性能は目に見えて向上している)


しかし、そんなクラウド会計も、人間判断に基づく伝票生成については、そう簡単には自動化できそうにない。

※ たしかに「前受金にして売上高計上しない」や「売掛金にて売上高計上する」などについては、いつ誰がその判断を行ったのかキッチリと記録する必要もある。(粉飾決算の抑止、内部統制)

以下の業務プロセスは、前受金登録に関する経理ワークフローだ。たとえば「12か月分のサービス代金」が前払いされた際に12件の「振替伝票データ」が自動的に生成される仕組みだ。
  1. 経理担当が「前受金」として判断し、
  2. 上司が承認し、
  3. 会計担当が「振替伝票データ」を登録する
という流れになっている。

[前受金登録フロー]

[前受金登録フロー:「1.前受金と判断」画面]

この経理フローの秀逸点は「振替伝票データ」が自動生成されるところだ。

しかし Google Spreadsheet に自動登録(自動バックアップ)される点にも注目したい。

事実「振替伝票」はそのワークフローの中で登録されるべきデータではあるのだが、期末の残高計算に使われるデータでもある。あるいは、来期になってから改めて売上登録に利用しなければならないデータでもあるのだ。

つまり、全ての振替伝票を一か所に「集約バックアップ」しておくことで、データの後日利用を効率よくすることができるようになる。

<Spreadsheet に登録された例>

ちなみに、ここではアドオンされた[サービス工程]が利用されている。

この機能は Questetra v11.1 で利用可能となった新機能だ。プログラム知識を持たないプロセスオーナーでも、このような複雑な自動通信を設定できるようになった。経理部門の業務改善、生産性向上に大きく貢献するだろう。

PS:
なお「振替伝票に関するインポート機能」をアピールしていないクラウドも、「他社会計ソフトのDATA移行機能」なら存在する。そしてそれらの機能実体は同じと言える。

<データ項目一覧画面>

[雛形ダウンロード (無料)]
<類似プロセス>

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[英文記事 (English Entry) ]

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