銀行口座の自動操作
日本では『銀行API』が盛り上がっています。この Workflow Sample ブログを運営しているクエステトラ社においても、「『MFクラウド』(会計クラウド)と『みずほビジネスWEB』(銀行オンラインサービス)とのAPI連携の恩恵」によって、入金情報のリアルタイム確認が可能となり、会計システムへの記録もおよそ当日処理(日次決算)されるようになりました。(ワークフローによってしか作成できない売掛金等の情報は「CSVインポート」のままですが…、MFクラウドさん自身がAPIを提供する日も遠くないハズ…)
- 『MFクラウド会計』『MFクラウド消込』『MFクラウド経費』の「みずほ連携」(2016-10-17)
- 『クラウド会計ソフト freee』の「みずほ連携」(2016-10-17)
そして、この入出金情報のデータ連携を可能とする『銀行API』という政策は、2017年中にも「改正銀行法」として法整備される見込みであり、また FinTech 業界も好意的に受け止めていることから、銀行システムと様々なオンラインサービスが密接に接続されていく将来が予想されています。
まずは「参照系API」から
ただ、目下のところは、一部の事業者しか『銀行API』にアクセスできません。今後についても、そのアクセスできる事業者となるには一定の審査が入ることが予想されています。また、今国会における議論如何によっては、「許認可制」になってしまう可能性もゼロではない状況にあります。
銀行側のアクセス許可についても、当面は「参照系API」に限定される可能性があります。
つまり、「APIサービス」の試運転期間のようなものとして、「入出金情報の取得」や「残高情報の取得」といった資産の移動を伴わないデータ参照通信に限定したサービスとして開始されることが想定されます。(既にこの2017年4月から「更新系API」の事例も出てきましたが…)
ちなみに「日本独自の課題」も見え隠れしています。
すなわち、大半の口座名が「半角カナ」で処理されてきた歴史的経緯があり、長音、拗音、中黒点といった文字データが、(少なくとも現時点では)、正式なカナ名称として表示されません。
- キヨウトダイガクガクチヨウ ヤマギワジユイチ
- カ)リクル-トホ-ルデイングス
[送金プロセス]
もし「オープンAPI」になれば
この業務プロセス定義は、「支払いプロセス」を表現しています。材料や備品など、調達先から届いた請求書を「紙」で経理に回していた業務を電子化した業務プロセスと言えば分かりやすいでしょうか。
ただし、今日現在、Questetra 側(ワークフローシステム側)から『銀行API』に直接アクセスすることは認めれておらず、また API サービスを展開している「電子決済等代行業者」もありません。すなわち、この業務プロセスは、もし『銀行API』がオープンAPIになれば、という仮定でのワークフロー・アプリとなります。(決済処理工程の自動化)
※ 自動通信工程(スクリプト工程)には何も設定されていません
他の決済APIの動向
振り返ってみれば、銀行口座からの送金がオンラインで指示できるようになったのが、1998年(インターネットバンキング)。企業の決済業務は、この約20年間で非常に効率よくなったと言えます。そして、今般の日本の『銀行API』についても、世界的に先進的な取り組みと評価する報道も多くあります。
しかし、「スマホ」「PayPal口座」「ビットコイン」といった他の決済方法における API と比較すれば、「銀行送金決済のAPI」は大きく立ち遅れていると言わざるを得ないでしょう。
特に、わずか2・3年で空前の急拡大をしたスマホ決済「WeChat Pay」(中国テンセント)は、法的な問題はさておき、既に100兆円規模での決済が行われ、VISAカードの世界決済額6.8兆ドルをも凌駕する可能性がある成長度を示しています。そして、その API は、かなり実用的なものになりそうな兆候を見せています。
また、世界に「PayPal口座」を展開している PayPal API は、既に送金 API (Payouts API)を利用できる国を増やしている状況にあります。つまり会社によっては、販売手数料や奨励金といった送金を API 通信によって自動化できる状態になっています。
日本の『銀行API』が今後、どのようなシガラミと戦い、どのように進化していくのか、業務効率の視点でウォッチしていきたいところです。
[送金プロセス:「1.送金内容の登録」画面]
<データ項目一覧画面>
[雛形ダウンロード (無料)]
- 業務テンプレート:送金プロセス
- 第528話:自動工程で PayPal ステータスの自動確認 (2017-03-27)
- 第510話:もう経費精算フローの中で「事後承認」すればイイ (2016-11-21)
- 第464話:立替金精算依頼を回す(基本業務パック) (2016-01-04)
- M415 自動工程: 業務プロセス定義で利用可能な自動工程を追加する (使い方)
- M230 自動工程: 業務データの複雑なデータ加工が自動実行されるように設定する(ECMAスクリプト) (使い方)
- M202 業務の流れ: 処理フローを定義し、各工程の締切時刻を設定する (使い方)
[英文記事 (English Entry) ]
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